サックス・グローバル(Saks Global)CEOのマーク・メトリックが退任

Saks Fifth Avenue

1月2日(現地時間)、世界最大級のマルチブランド・ラグジュアリー小売企業、サックス・グローバル(Saks Global)は、最高経営責任者(CEO)であるマーク・メトリック(Marc Metrick)が退任し、エグゼクティブ・チェアマンのリチャード・ベイカー(Richard Baker)が後任としてCEOに就任すると発表した。ベイカーは引き続き会長職も兼任する。

今回の人事は、同社が財務的な不透明感に直面する中で行われた。現在、サックス・グローバルがニーマン・マーカス(Neiman Marcus)統合に関連する債務において、1億ドル超の利払いを履行できなかったとされており、同社が米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を含む選択肢を検討している可能性が指摘されている。

サックス・グローバルは、2024年末にサックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)とニーマン・マーカスが統合する形で誕生した。高級百貨店2社を傘下に収め、コスト削減と競争力強化を図る狙いがあったが、統合後も売上の低迷、取引先への未払い、負債の増大といった課題が続いている。

こうした状況を受け、同社は「安定化に向けたあらゆる可能性を検討している」との姿勢を示しており、経営体制の刷新はその一環とみられる。

ベイカーはCEO就任にあたり、次のように述べている。

「経験豊富な経営陣、価値あるパートナー、そしてすべてのステークホルダーの皆さまと共に、当社の強固で安定した未来を築いていきたいと考えています。深い業界知見、ラグジュアリー分野における確立された関係性、そして優秀な人材を擁するサックス・グローバルは、ラグジュアリー市場に存在する多くの機会を捉えるため、競争力を一段と強化していきます。」

同氏は、商品力の強化や顧客体験の高度化、パーソナライズ戦略を通じて、同社の変革を前進させる考えを示している。

マーク・メトリック、約30年のキャリアに区切り

一方、退任するメトリックは、約30年にわたりサックスに在籍し、マーチャンダイジング、マーケティング、戦略など幅広い分野を経験してきた。2015年以降はサックス・フィフス・アベニューを率い、EC強化や組織改革を主導。サックス・グローバル発足後はCEOとして、統合戦略とデジタル変革を担ってきた。

メトリックは次のようにコメントしている。

「約30年にわたりサックスに在籍してきましたが、このたびCEO職を退くこととなりました。1995年にサックスでキャリアをスタートし、マーチャンダイジング、マーケティング、戦略など、さまざまな分野で職務を担ってきました。2015年にはサックス・フィフス・アベニューのトップに就任し、小売業界が大きく変化する時代の中で、イノベーションと成長を推進してきました。世界水準のチーム構築から、Saks.comをラグジュアリーEコマースの主要プラットフォームへと育て上げたことまで、共に成し遂げた成果を誇りに思っています。これまで支えてくれた同僚、パートナー、そしてサックス・コミュニティの皆さまに心より感謝しています。」

再建か、破産か

サックス・グローバルは現在、バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)の少数株式売却を含む資産活用策も検討していると報じられている。新体制のもとで財務の立て直しとブランド価値の再構築を実現できるかが、今後の最大の焦点となる。

ラグジュアリー小売を取り巻く環境が厳しさを増す中、サックス・グローバルの再建の行方は、マルチブランド型ラグジュアリー小売の持続可能性を考える上で無視できない存在となっている。

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