アジア最大級のテキスタイル見本市「インターテキスタイル 上海 アパレルファブリックス 春展2026(Intertextile Shanghai Apparel Fabrics – Spring Edition/(ITSAS26)は、2026年3月11日(水)〜3月13日(金)の3日間にわたり、中国・上海の国家会展中心で開催される。春のソーシングシーズンの幕開けを担う同展では、ファッション性を軸に、サステナブル素材、機能性素材、そしてAIを含む次世代テクノロジーへの注目が一段と強まる構えだ。
主催のメッセフランクフルト(香港)は、変化の激しいグローバル市場環境の中で、同展示会を「課題解決とイノベーションの実装を同時に進める場」と位置付けている。2025年開催時に確認された出展者・バイヤー双方の堅調な成果を背景に、2026年春展では展示の質と専門性をさらに高める方針である。
メッセフランクフルト(香港)社ゼネラルマネージャーのウィルメット・シー(Wilmet Shea)は、次のように述べている。
「インターテキスタイルアパレルは、これまでも“見逃せない展示会”であることを繰り返し証明してきました。業界が変革期にある今、展示会の規模、幅広さ、ビジネスネットワーク、そして“次の一手”に焦点を当てる姿勢は、これまで以上に重要です。」
「2026年春展では、2025年開催時のポジティブな流れを引き継ぎ、AIやイノベーションへの注力をさらに強化するとともに、サステナブルおよび機能性分野の展示を拡充していきます。」
サステナブルとAIが交差する展示
今回の春展で象徴的なのが、サステナビリティとデジタル技術を横断する展示だ。サステナブル素材に特化したゾーン「エコノジー・ハブ(Econogy Hub)」は、過去シーズンから大幅に拡張され、2026年春展ではオープンブース形式とセミナー機能を備えた構成で展開される。来場者が会場全体から環境配慮型サプライヤーを探しやすくする「エコノジー・ファインダー(Econogy Finder)」も引き続き導入される予定だ。
一方、AIをはじめとする先端技術に焦点を当てた「イノベーション&デジタルソリューションゾーン(Innovation & Digital Solutions Zone)」では、生産工程における廃棄削減、欠陥検知の高度化、在庫最適化など、実務レベルでの活用を前提とした技術展示が行われる。
2027年春夏トレンド「PARADOX」を提示
2026年春展では、テキスタイルトレンドを読み解く指針として、2027年春夏シーズンのトレンドテーマ「パラドックス(PARADOX)」も発表される。国家会展中心(上海)ホール5.1のトレンドフォーラムでは、世界の主要ファッション都市を代表するフォーキャスターによって構想された4つのテーマが紹介される。
「親密さ・ぬくもり(AFFECTION)」「解放感・軽やかさ(BREATHE)」「妖艶さ・魅惑(BEWITCHING)」「敬意・継承(HONOURATION)」と名付けられたこれらのテーマは、共通して「過剰な演出よりも個性と本質を重視する姿勢」を軸に据えている。真正性、シンプルさ、不完全さを受け入れる感覚が、次世代のファッションとテキスタイルの方向性として浮かび上がる。
トレンドフォーラムのビジュアルおよびコンセプト設計を担うのは、東京を拠点とする井上幸子(Sachiko Inoue)。パリのネリー・ロディ(NellyRodi™ Agency)、ニューヨークのドネガー|トゥービー(DONEGER | TOBE)、ミラノのエレメンティ・モーダ(Elementi Moda)と共同でトレンドを構想している。
会場では700点以上のファブリックおよびアクセサリーサンプルが展示され、来場バイヤー向けにトレンドガイドも提供される予定だ。素材、柄、プリント、カラーを体系的に把握できるようになっており、実務に直結する情報源として機能する。
2025年春展からの評価と継続性
また、直近の開催となった2025年春展では、レディース向け素材、機能性・スポーツ用途、ニット、環境配慮型・天然素材への関心が特に高かった。「インターテキスタイル・ディレクションズ・トレンドフォーラム(Intertextile Directions Trend Forum)」をはじめ、「ビスポーク・パフォーマンス(Bespoke Performance)」、「ザ・キューブ(The CUBE)」、「エコノジー・ハブ・ディスプレイエリア(Econogy Hub Display Area)」といった展示エリアは、2026年春展でも継続して展開される。
出展企業からは、中国市場における新技術・新素材の発信拠点としての有効性を評価する声が上がっており、バイヤー側からも調達のしやすさや国際性を評価する意見が聞かれた。こうしたフィードバックが、次回展の構成にも反映されるようだ。
アジア市場における役割の深化
なお「インターテキスタイル 上海 アパレルファブリックス」は、「ヤーン エキスポ 春展(Yarn Expo Spring)」、「インターテキスタイル 上海 ホームテキスタイル 春展(Intertextile Shanghai Home Textiles Spring)」、「チャイナ・インターナショナル・クロージング&アクセサリーズ・フェア(China International Clothing & Accessories Fair)」、「PH バリュー(PH Value)」と同時開催されることで、素材から製品、マーケットまでを横断的に把握できる場を形成している。
2026年春展は、アジア発テキスタイル産業が次なる成長フェーズへと向かう方向性を、これまで以上に明確に可視化する場となりそうだ。
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