1月7日(現地時間)、米国ファッションデザイナー協議会(Council of Fashion Designers of America、以下CFDA)は、米国のファッション製造基盤を強化することを目的とした2つの新たな助成プログラムを発表した。いずれも、アメリカ国内のアパレル製造業の競争力向上、労働力育成、そして地域経済の持続的成長を視野に入れた取り組みである。
ニューヨーク・ガーメント・ディストリクトに特化した支援策
新設された「CFDA × NY フォワード・グラント・ファンド(CFDA × NY Forward Grant Fund)」は、ニューヨーク州国務局およびラルフ ローレン コーポレーション(Ralph Lauren Corporation)の資金提供により開発された助成制度だ。ニューヨーク市ガーメント・ディストリクトに拠点を置くデザイナーや製造事業者を対象に、部分的なマッチング形式の助成金が提供される。
同プログラムは、設備投資や生産体制の近代化、サービス拡充、スキル継承を含む人材育成を支援することで、都市型ファッション製造の持続可能性を高めることを目的としている。
全米規模で展開される製造支援ファンド
さらに、もう一つの新制度である「U.S. ファッション・マニュファクチャリング・ファンド(U.S. Fashion Manufacturing Fund)」も、ラルフ ローレンを創設パートナーとして設立された。対象はニューヨークに限らず、全米のアパレル製造業者であり、地域を超えた製造基盤の底上げを狙う。
両プログラムに共通する狙いは、老朽化した設備の刷新、製造工程の高度化、そして次世代を担う人材の育成を通じて、米国ファッション製造業の生産能力とレジリエンスを強化する点にある。
10年以上続くCFDAの製造支援の系譜
これらの新たな助成プログラムは、2013年に開始されたCFDAの「ファッション・マニュファクチャリング・イニシアチブ(FMI)」の成果を土台としている。同イニシアチブは、ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)、アンドリュー・ローゼン(Andrew Rosen)、そしてラルフ ローレンの長期的支援のもとで展開されてきた。
これまでにラルフ ローレンは、FMIのプレミア・アンダーライターとして累計200万ドルを拠出。54の工場への助成を実現し、2,000人以上の雇用にポジティブな影響をもたらしている。
CFDAのCEO兼プレジデントであるスティーブン・コルブ(Steven Kolb)は、次のように述べている。
「デザイナーが地域に根ざした製造パートナーを持てるよう、アメリカの製造業を強化することは、長年にわたりCFDAの使命の中核にありました。ラルフ ローレン コーポレーションとの10年以上にわたる協業をさらに発展させ、全米規模へと拡大できることを誇りに思います。同時に、ニューヨーク州国務局との初のパートナーシップを通じて、ニューヨーク市への投資も継続していきます。」
また、ラルフ ローレン コーポレーションのチーフ・グローバル・インパクト&コミュニケーションズ・オフィサーであるケイティ・イオアニリ(Katie Ioanilli)は、次のようにコメントしている。
「CFDAとのパートナーシップ拡大は、イノベーションの推進とアメリカのファッション産業を支援するというラルフ ローレンの長年のコミットメントを反映するものです。これは単なる業界への投資ではなく、私たちが世界と共有する、アメリカ文化の重要な一部への投資でもあります。」
製造拠点を守り、世界とつながるために
今回の2つの助成プログラムは、ニューヨークのガーメント・ディストリクトを守ると同時に、全米のファッション製造基盤を強化するという明確な意思表示である。イノベーション、クラフツマンシップ、そして地域コミュニティを軸に、アメリカのファッション産業が今後もグローバル市場で存在感を維持していくための基盤づくりが進められている。
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