1月14日(現地時間)、イタリア発のファッションブランド「ディーゼル(Diesel)」は、アンドレア・リゴリオージ(Andrea Rigogliosi)を新たな最高経営責任者(CEO)に任命したことを発表した。親会社であるOTBグループのCEO、ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)に直属する形での就任となる。
ディーゼルにとって今回の人事は、2023年にエラルド・ポレット(Eraldo Poletto)が退任して以来、約3年ぶりとなる常任CEOの任命であり、経営体制の安定化と次なる成長フェーズへの移行を象徴する動きである。
グレン・マーティンス体制下で高まる文化的存在感
2020年以降、ディーゼルはクリエイティブ・ディレクターのグレン・マーティンス(Glenn Martens)のもとでブランドの再構築を進めてきた。挑発性と民主性というディーゼル本来のDNAを維持しながら、ファッション文脈における存在感を再定義し、若い世代を中心に支持を拡大している。
この点について、ディーゼル創業者でありOTBグループ会長のレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)は、公式プレスリリースの中で次のように述べている。
「ディーゼルは、私が創業した“魔法のようなブランド”であり、常にファッション界において唯一無二の存在感を放ってきました。グレン・マーティンスのクリエイティブ・ディレクションは、ブランドの最も本質的なDNAを再発見させ、よりフレッシュで現代的、そして若い世代からますます支持される存在へと変貌させています。今日、ディーゼルはラグジュアリーの世界に対する唯一のオルタナティブと捉えることができ、インクルーシビティやアクセシビリティといった価値観を体現しています。これは、ファッション業界全体が複雑な局面にある今、特に重要な意味を持つのです。近年、厳しい市場環境の中で、私はマネジメントチームとともにブランドの成長を間近で見守ってきました。今回、アンドレアをディーゼルに迎えることを大変うれしく思っており、チームとともに、ブランド進化の重要な局面において、彼がディーゼルの可能性をさらに高めてくれると確信しています。」
ラグジュアリーとリテールを横断する経営手腕
アンドレア・リゴリオージは、ラグジュアリー、ファッション、リテール分野において豊富な国際経験を持つ経営者である。直近では、プラダ・グループ傘下のミュウミュウ(Miu Miu)にてグローバル・リテール&コマーシャル責任者を務め、世界規模での事業成長および流通ネットワーク拡大を主導してきた。
それ以前には、LVMHグループにおいてフェンディ(Fendi)の欧州プレジデント、クリスチャン ディオール クチュール(Christian Dior Couture)のフランス&モナコ、およびイタリアのゼネラルマネージャーなど、複数の要職を歴任。キャリア初期には、ポルトローナ・フラウ・グループ(Poltrona Frau Group)やロレアル(L’Oréal)のラグジュアリー部門でマネジメント経験を積んでいる。
また、ミラノのボッコーニ大学にて国際経営学の学位を取得している。
経営の安定化と次なる成長に向けて
ディーゼルは、過去10年にわたりCEO交代が相次ぎ、経営の継続性が課題とされてきた。一方で、OTBグループはブランド別売上を公表していないものの、2024年におけるディーゼルの売上は為替一定ベースで成長を記録している。
今回のリゴリオージ就任は、クリエイティブの明確な方向性を土台に、経営・オペレーション面での安定と中長期的成長を図るための重要な一手といえる。ディーゼルが掲げる「ラグジュアリーのオルタナティブ」という立ち位置をどのように事業成長へと結実させていくのか、その手腕に注目が集まる。
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