フランスのオートクチュール・メゾン、スキャパレリ(Schiaparelli)が、香港・セントラル地区の高級商業施設「ランドマーク プリンスズ・ビルディング」に、アジア初となる常設サロンをオープンした。
完全予約制で運営される同サロンは、施設全体で進行中の総額4億ドル規模の改装プロジェクトの一環として誕生。スキャパレリは2024年に上海でポップアップを開催しているが、今回の香港出店は同地域における初の恒久的拠点となる。
パリ本店を彷彿とさせる、シュルレアリスム空間
今回の香港サロンは、一般的なブティックとは異なり、顧客が商品を選ぶための場所というよりも、スキャパレリの美学と価値観に深く入り込むための空間として設計されている。
空間デザインを手がけたのは、クリエイティブ・ディレクターのダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)と、建築設計事務所ハレロッド(Halleroed)。約1,700平方フィートの室内は、パリ・ヴァンドーム広場21番地にあるメゾンの歴史的サロンを着想源としながら、香港という都市にふさわしい現代性を備えた構成となっている。
VIPドレッシングルームはリビングルームを思わせる設えとされ、ジュエリーは金色のモザイクタイルに囲まれたバスルーム空間に展示。純金製のトイレを含む大胆な演出は、スキャパレリが継承してきたシュルレアリスムの精神を、空間体験として可視化したものだ。

香港という都市への期待
スキャパレリのCEOであるデルフィーヌ・ベリーニ(Delphine Bellini)は、香港という都市について「ラグジュアリーの世界において特別な存在であり続けてきました。文化的洗練、国際的な視野、卓越したクラフツマンシップへの理解が自然に共存する都市です」と語っている。
さらに、今回の立地についても、以下のようにコメントしている。
「ランドマークは、ヘリテージを尊重し、最高水準のクオリティを求め、長期的な視点の重要性を理解している環境です。これらはすべて、スキャパレリの価値観と深く共鳴しています。」
一貫して「慎重」に築かれてきたグローバル展開
スキャパレリは、2012年にイタリア人実業家ディエゴ・デラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)によって再始動されて以降、拠点拡大を急がない戦略を貫いてきた。現在の常設拠点は、パリをはじめ、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ダラス、ドバイ、モナコと、ごく限られた都市にとどまっている。
なお、スキャパレリが拠点を構えた香港の「ランドマーク」では近年、パテック フィリップ(Patek Philippe)やサンローラン(Saint Laurent)、プラダ(Prada)、ミュウミュウ(Miu Miu)など、世界的ラグジュアリーブランドの出店が続いている。今回のスキャパレリの進出も、同施設が進めるハイエンド化の潮流を象徴するひとつである。

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