2月3日(現地時間)、カプリ・ホールディングス・リミテッド(Capri Holdings Limited)は2026年度第3四半期決算を発表し、売上面では逆風が続くなか、ヴェルサーチェ(Versace)売却によって財務基盤を大きく立て直したことを明らかにした。
同四半期の売上高は、報告ベースで前年同期比4%減の10億3,000万ドル。グローバルな消費環境の鈍化や裁量消費の抑制が続くなか、同社の事業環境も依然として厳しい状況にあることが数字から読み取れる。
一方で、今回の決算における同社のバランスシートは、大幅に改善した。カプリ・ホールディングスは、ヴェルサーチェをプラダ・グループ(Prada Group)へ売却したことにより、純有利子負債を8,000万ドルまで圧縮。2024年12月28日時点で11億7,000万ドルに達していた純有利子負債と比較すると、極めて大きな改善となる。
売上高が減少する局面においても、負債水準の劇的な低下は、同社の財務体質を根本から変える結果となった。金利の先行きが不透明な状況下において、財務リスクを抑制し、キャッシュフローの柔軟性を高めた点は、中長期的な企業価値の観点から重要な意味を持つ。
このヴェルサーチェ売却は、単なる資産の切り離しではなく、カプリ・ホールディングスが進める「選択と集中」戦略を象徴する経営判断と位置づけられる。同社は現在、「マイケル コース(Michael Kors)」および「ジミー チュウ(Jimmy Choo)」を中核ブランドとして据え、経営資源の再配分を進めている。複数のラグジュアリーブランドを抱えるコングロマリット型の経営から、自社が最も競争優位性を発揮できるブランド群へと軸足を移すことで、事業運営の効率性と収益構造の改善を図る狙いだ。
2026年度第3四半期は、売上面では厳しさが残る一方で、財務面では次の成長フェーズに向けた土台が整った四半期といえる。負債削減によって得られた経営の余地を、今後どのようにブランド強化や成長投資へとつなげていくのかが、カプリ・ホールディングスの次なる焦点だろう。
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