サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)、IEDフィレンツェに2つの奨学金を創設

IED Firenze

2月12日(現地時間)、イタリア人デザイナー、サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)が、IEDフィレンツェ(IED Firenze)におけるファッションデザイン第一レベル学術ディプロマ(DAPL)課程を対象に、2つの奨学金を創設した。2026年秋より開始される同制度は、学部課程の学生2名に授与されるものであり、教育へのアクセスを広げ、優れた資質を持つ学生を後押しすることを目的としている。

奨学金は3年間にわたり授業料の50%をカバーする内容で、受給者は30点満点中28点以上の平均成績を維持することが条件となる。応募締切は2026年3月20日。応募者は、自身の創造的プロセスを可視化するプロジェクトを提出する必要があり、ファッションが「構築」であり「レイヤリング」であり「プロセス」であることを、初期アイデアから最終形に至るまでの選択や修正を含めて提示することが求められる。

この取り組みについて、IEDフィレンツェ校ディレクターのベネデッタ・レンツィ(Benedetta Lenzi)は次のように述べている。

「サバト・デ・サルノが私たちの学生の教育の道のりを具体的に支援することを選んでくださったことに感謝しています。それは私たちの学術コミュニティにとって非常に価値ある行為です。彼の貢献は、ファッションシステム全体にとっても重要なシグナルです。教育に投資することはサプライチェーンを強化し、ビジョンと専門性をもって業界の未来に貢献する新たな創造的エネルギーの成長を支えることを意味します。その意味でフィレンツェは、製造文化とデザイン実験が日々交差する特別な環境であることを改めて証明しています。」

また、デ・サルノ自身は同支援の背景について次のように語る。

「IEDフィレンツェを支援することは、私にとって具体的な恩返しの方法です。私は、才能は特権ではなく、育み守るべき可能性であると強く信じています。教育は最初の創造行為です。それは直感が規律や技術、そしてビジョンへと変わる場所なのです。これらの奨学金は信頼と責任の行為として生まれました。アクセスを提供し、機会を創出し、使命が自らの道を見つけられるようにするためです。なぜならアクセスを与えることは、最終的に未来を広げることだからです。」

産地と直結する実践的プログラム

IEDフィレンツェの3年制ファッションデザインプログラムは、職人的知識と最先端テクノロジーを融合させる教育体制を特徴とする。ガーメント構築から3Dデザイン、素材研究、実験的アプローチまでを包括し、サステナビリティおよびデザイン文化への意識を強く打ち出している。

同校は、国際的に評価の高いファッション・サプライチェーンを有する地域に位置しており、産業プロセスと職人技術に密接に触れる没入型の学習環境を提供。コンセプト立案からプロトタイプ制作、そしてグローバル市場に向き合う現代的提案へと至るプロセスを、実践を通じて体得出来る。

教育課程は3年間にわたり段階的に構築される。初年度は技術的・文化的・デザイン的基盤を横断的に養う段階。2年目はカプセルコレクション制作やワークショップを通じて個人のスタイルを深化させる。最終年度には、プロフェッショナル・シミュレーションの文脈の中で個人コレクションを完成させ、卒業制作へと結実させる流れだ。

キャリアの背景と教育への視座

サバト・デ・サルノは、プラダ(Prada)およびドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)で経験を積み、2009年にヴァレンティノ(Valentino)へ参加。ファッションディレクターを務めた後、2023年にはグッチ(Gucci)のクリエイティブ・ディレクターに就任し、2025年2月にその任期を終えた。芸術とデザインへの深い関心は、彼の美学的探究と世界観の形成を支えている。

今回の奨学金制度は、単なる経済的支援にとどまらない。研究・学習・実践という教育の三位一体を通じて、現代ファッションシステムの変化を読み解き、責任とビジョンを持って未来を構想できるデザイナーを育成するための構造的アプローチである。教育を起点としたサプライチェーン強化への視座も含め、ファッション業界全体に対する明確なメッセージといえる。

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