東京・原宿に位置する複合商業施設「原宿クエスト」が、新たなカルチャー発信拠点として再始動する。その地下フロアに、ポップアップスペース「ザ ホール(THE HALL)」とレストラン「トンネル(THE TUNNEL)」が誕生することが明らかになった。両施設は、アートやカルチャーを軸としたクリエイティブエージェンシー「エン ワン トーキョー(en one tokyo)」が手がける新しいコミュニティスペースとして展開される。
原宿は、長年にわたりユースカルチャーの発信地として知られ、多くのクリエイターやブランドが影響を受けてきた街である。今回のプロジェクトは、そうした歴史的背景を踏まえながら、新しい文化や感覚を生み出す拠点を再び原宿に築くことを目的としている。
施設全体のコンセプト設計には、アーティスト/アートディレクターのヨシロットン(YOSHIROTTEN)が率いるクリエイティブスタジオYARが参画。ロゴデザインをはじめ、館内サインや空間演出までを手がけ、施設の世界観構築を担っている。


ヨシロットンは今回のプロジェクトについて次のように語っている。
「原宿では長い歴史の中でさまざまな文化や流行が生まれ、それに感化された若者がクリエイターとなり、さらに新しい潮流が生まれるという創造のサイクルが続いてきました。しかし、かつて原宿が持っていた独特の“熱量“は変化しつつあるようにも感じています。先輩たちが築いたこの街のエネルギーを次世代へと継承しながら、再び“原宿らしさ“を象徴する存在をつくりたい。そうした想いで仕事に取り組みました。施設コンセプトである“デュアリティ(二面性)“は、原宿クエストを表現する重要なキーワードです。メインストリームとサブカルチャー、メジャーとアンダーグラウンド、フィジカルとデジタル。様々な領域を横断するこれからの原宿。その象徴として、新しいロゴにもこの思想を取り入れました。」
地下フロアに誕生する「THE HALL」は、ポップアップイベントや展示などを開催するクリエイティブスペースとして機能する。一方で隣接するレストラン「THE TUNNEL」は、人々が集い交流する場として設計されており、両者が連動することで新しいカルチャーコミュニティの形成を目指す構想である。
オープンを記念し、2026年3月14日から3月29日までの期間限定でインスタレーション「Quiet Underground: Energy, Sound and Time」が開催される予定だ。この展示はヨシロットンによる空間インスタレーションで、原宿で生まれてきた創造の物語や地下空間から受けたインスピレーションを再構成した作品となる。
会期中の夕方からは、「THE HALL」と「THE TUNNEL」が連動し、原宿や本展にゆかりのある人物たちが音楽をプレイするイブニングプログラムも予定されている。16日間限定の実験的なカルチャーイベントとして、アート、音楽、コミュニティが交差する新しい原宿の姿を提示する試みとなる見込みである。

なお、「原宿クエスト」は1988年に誕生した施設であり、再開発を経て2025年に新たに生まれ変わった。地上6階・地下1階の複合施設として、表参道と原宿を結ぶ都市の新たな回遊拠点となることを目指している。
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