イタリアの老舗ラグジュアリーブランド「エトロ(Etro)」とクリエイティブディレクターのマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)が、約4年間にわたるコラボレーションに終止符を打つことが、3月12日(現地時間)に正式発表された。後任は現時点では未定だ。
双方合意による決断
ブランドの公式声明によれば、この決定は双方の合意によるもので、「ブランドの新たな戦略フェーズ」の一環とされている。
エトロは声明で、在任中のデ・ヴィンチェンツォの功績について「在任中、マルコ・デ・ヴィンチェンツォはブランドのクリエイティブ・ディレクションを主導し、エトロのアイデンティティ・コードを解釈・昇華させたコレクションを発表しながら、成長とスタイル刷新という重要な局面において会社を牽引してきました」と記している。
また、「マルコ・デ・ヴィンチェンツォの長年にわたる献身、プロフェッショナリズム、そしてクリエイティブな貢献に深く感謝するとともに、今後のプロジェクトの成功を心よりお祈り申し上げます」と続けた。
エトロでの4年間
デ・ヴィンチェンツォは2022年6月にエトロに入社。それ以前は2008年から2022年までフェンディ(Fendi)でレザーグッズ部門のトップを務め、並行して自身のブランドも展開していた(2020年に活動休止)。エトロ在任中は、1968年の創業以来ブランドが培ってきたペイズリー柄や大胆なパターンといったシグネチャーコードを軸に、マキシマリズムを前面に押し出したコレクションを発表し続けた。最後のコレクションとなった2026年秋冬については、「ボヘミアンな側面が再び顔を出している——ハイパーカラーで、マキシマリストで、少しだけクレイジーな」とデ・ヴィンチェンツォ自身が語っている。
新たな株主体制と戦略転換
今回の退任は、エトロを取り巻く経営環境の大きな変化とも無縁ではない。2025年12月、創業一族エトロ(Etro)家が保有していた少数株式が、新たな投資家グループに売却された。トルコの不動産開発会社ラムス・グローバル(Rams Global)、スウィンガー・インターナショナル(Swinger International)のマティアス・ファッキーニ(Mathias Facchini)、アドバイザリー会社SRIグループ(Sri Group)を通じたジュリオ・ガラッツィ(Giulio Gallazzi)の3者で構成されるグループで、これによりエトロ家は創業から半世紀以上関わってきたブランドから完全に離れることになった。なお、2021年7月に過半数株式を取得したプライベート・エクイティ会社のLカテルトン(L Catterton)は引き続き筆頭株主として、ブランドの長期成長戦略を支援していく。
取締役会長にはラムス・グローバルを代表するファルク・ビュルビュル(Faruk Bülbül)が新たに就任。現CEOのファブリツィオ・カルディナーリ(Fabrizio Cardinali)は引き続き戦略計画の指揮を執る。
Copyright © 2026 Oui Speak Fashion. All rights reserved.