3月19日(現地時間)、オーストラリア発のラグジュアリーブランド「ジマーマン(Zimmermann)」は、ロベルト・エッグス(Roberto Eggs)を新たな最高経営責任者(CEO)に任命したことを発表した。就任日は2026年5月1日。長年ブランドの経営を担ってきたクリス・オリヴァー(Chris Olliver)は、同日付でエグゼクティブ・チェアマンへと移行する。
今回の人事は、グローバル成長を続ける同ブランドが、次の発展段階へ向かうための経営体制の再編として位置づけられる。2005年からCEOを務めてきたオリヴァーは、ブランドの国際的な認知拡大と事業成長を牽引してきた人物であり、今後は共同創業者のニッキー・ジマーマン(Nicky Zimmermann)、シモーネ・ジマーマン(Simone Zimmermann)とともに、中長期の戦略面を支えていく。
新CEOに就くエッグスは、モンクレール・グループ(Moncler Group)で11年にわたり要職を歴任してきた。直近ではエグゼクティブ・ボードメンバー兼チーフ・ビジネス&グローバル・マーケット・オフィサーを務めており、それ以前にはチーフ・マーケティング・オフィサー、チーフ・オペレーティング・オフィサーも経験。グローバル市場での拡大戦略に加え、ストーンアイランド(Stone Island)の統合と成長の推進にも関与してきた。
さらにモンクレール以前には、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)のEMEIA地域プレジデントとして欧州・中東・インド・アフリカ地域を統括。加えて、ネスレ・グループ(Nestlé Group)およびネスプレッソ(Nespresso)でも上級職を務めている。現在はフォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツ(Four Seasons Hotels and Resorts)の取締役でもあり、ジマーマンの取締役会にも過去1年以上にわたり参加してきた。
ブランドの創業者であり、チーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるニッキー・ジマーマンは、今回の発表に際して次のように述べている。
「創業当初から、私たちは明確な視点と持続的な感情的つながりを持つブランドの構築に注力してきました。ロベルトはグローバルな視点とブランド構築への深い理解を兼ね備えており、共にジマーマンの未来を形づくっていくことを楽しみにしています。」
また、エッグスは新たな役割について、次のようにコメントしている。
「ジマーマンは、創造性の一貫性と商業的強さを兼ね備えた稀有なブランドです。このたびCEOという役割を担い、ニッキー、シモーネ、そしてクリスとともに、次なる進化の章を導いていけることを大変光栄に思います。」
オリヴァーもまた、新体制への期待を示している。
「ロベルトをジマーマンに迎えられることを大変嬉しく思います。今後も彼と密接に連携しながら、ブランドの力強いグローバル成長をさらに推進していきたいです。彼のリーダーシップの実績は明白であり、今回の参画は、我々が築いてきた基盤と今後の可能性を強く裏付けるものであります。」
今回のCEO交代は、ジマーマンがグローバル規模での成長をさらに加速させる局面にあることを示している。1991年にシドニーでニッキー・ジマーマンとシモーネ・ジマーマンによって創業された同ブランドは、アジアおよび中東市場への拡大や、デジタルを含む流通基盤の強化を目的として、2023年にプライベート・エクイティ投資会社アドベント・インターナショナル(Advent International)が過半数株式を取得した。企業価値は約11億5000万ドルとされ、売上は約2億6000万ドル、営業利益率は30%超と、高い収益性を維持している。
こうした成長基盤のもとで、エッグスのようなグローバルブランド経営の経験を持つ人材がトップに就くことは、単なる人事にとどまらない。資本と戦略の両面における次のフェーズへの移行を意味するものだ。クリエイティブ主導で築かれてきたブランドが、いかにしてスケールと収益性を両立させるのか。その実行力が問われる局面に入ったといえる。
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