3月24日(現地時間)、プレステージビューティリテーラーの「セフォラ(Sephora)」は、対話型AI「ChatGPT」上において自社アプリの提供を開始したことを発表した。同サービスは、最初に米国市場にて試験的に導入され、ユーザーはチャット上での会話を通じて、ビューティおよびスキンケア製品の検索から購入までを一貫して行うことが可能となる。
今回の取り組みは、ユーザーが「乾燥肌に合うファンデーションを探して」といった具体的なニーズを入力することで、セフォラのアプリがChatGPT内に表示され、個々の嗜好に基づいた商品提案が行われる、という仕組みだ。「Beauty Insider」アカウントを連携することで、過去の購入履歴や好みに応じたパーソナライズされたレコメンデーションも提供される。
さらに、ロイヤルティプログラムに紐づく特典も利用可能であり、送料無料やサンプル提供といった会員メリットがそのまま適用される。現時点では外部での決済が前提となるが、今後はアプリ内での支払いおよびチェックアウト機能の実装も予定されており、よりシームレスな購買体験の実現が見込まれる。
テクノロジーの進化とともに、消費者の購買行動は検索中心から「対話」へと移行しつつある。こうした中で、ChatGPTは商品発見の起点としての役割を強めており、セフォラはその変化にいち早く対応した形だ。AIを通じてブランドの専門性やキュレーション力を提供することで、従来のEC体験を再定義する狙いがある。
セフォラのグローバル・チーフ・デジタル・オフィサーであるアンカ・マロラ(Anca Marola)は次のように述べている。
「セフォラでは、お客様が求めるあらゆる瞬間において、最適なビューティアドバイスとキュレーションを提供することに情熱を注いでいます。その実現のため、ChatGPTのような新たなインテリジェントチャネルでのアプリ展開を進めています。まずは米国で導入し、今後はグローバル展開を目指します。」
また、セフォラ北米Eコマース部門ゼネラルマネージャーのナディーン・グラハム(Nadine Graham)は次のようにコメントしている。
「世界中のビューティ顧客は、ブランドやトレンド、ルーティンの発見にテクノロジーを活用しており、AIによるガイダンスに対してますます前向きになっています。デジタルリテーラーとしての専門性と新たなAIツールを融合することで、効率的であるだけでなく、より有用で会話型のシームレスな体験を創出しています。」
さらに、OpenAIのChatGPT責任者であるニック・ターリー(Nick Turley)は「ChatGPTは、人々が商品を発見し意思決定を行う起点としての役割をますます強めています」と述べ、「セフォラとの今回の取り組みは、ビューティの発見と購買体験が、ChatGPT内でよりパーソナライズされ、より有用なものへと進化する可能性を示すものです」と付け加えた。
現在セフォラは、世界で8,000万人以上のアクティブ会員を抱え、グローバルコミュニティを基盤に、デジタル領域での革新を継続してきた。今回のChatGPTとの連携は、その延長線上にある取り組みであり、AIを活用した新たな顧客体験の構築をさらに加速させるものだ。今後は、顧客向けサービスにとどまらず、グローバルオペレーション全体における連携の可能性についても検討が進められる見通しである。
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