ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)サウス・ケンジントンにて、3月28日(土)より「スキャパレリ:ファッションはアートになる(Schiaparelli: Fashion Becomes Art)」展が開幕する。フランスのメゾン、スキャパレリに特化したイギリス初の大規模展覧会だ。会期は11月8日まで。
400点超の作品が集結
展示の規模は圧倒的で、衣装約100点、美術作品約50点をはじめ、アクセサリー、ジュエリー、絵画、写真、家具、香水、アーカイブ作品など合計400点以上に及ぶ。創業者エルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)の初期作品から、現クリエイティブ・ディレクター、ダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)による最新コレクションまで、ブランドの約100年にわたる歴史を一堂に俯瞰できる構成となっている。
芸術家としてのスキャパレリ
1890年にローマの名家に生まれたエルザは、1927年のデビューコレクションからその独自性を発揮した。トロンプ・ルイユ(trompe l’oeil)のモチーフを用いたニットウェアは、当時のファッション界に衝撃を与えた。
その後パリのヴァンドーム広場(Place Vendôme)にアトリエを構え、サルバドール・ダリ(Salvador Dalí)、ジャン・コクトー(Jean Cocteau)、メレット・オッペンハイム(Meret Oppenheim)らと積極的にコラボレーションを展開。1937〜38年の「シューハット(Shoe Hat)」や「スケルトンドレス(Skeleton Dress)」などは、ファッションの枠を超えたシュルレアリスムの芸術作品として今日も語り継がれる。


衝撃を愛したデザイナー
また、「ショッキングピンク(Shocking Pink)」をブランドカラーとして確立したエルザは、文字通り「衝撃」を追求し続けた。かつてはショップのウィンドウに剥製のピンクのホッキョクグマを飾り、1973年に他界した際にはピンクとともに埋葬されたというエピソードが残る。1937年の戴冠式用に制作されたジェーン・クラーク(Jane Clark)のコートは、胸元の裸のマーメイド型ボタン1つだけで留まるデザイン。パフォーマンスとしてのファッションという概念を、エルザはすでに体現していた。
財政難から1954年にアトリエを閉鎖した後も、そのレガシーは生き続けた。ブランドは後にイタリアの革製品メーカー、トッズ(Tod’s)創業者ディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)に買収され、2012年に再始動。2019年よりローズベリーがクリエイティブ・ディレクターを務めている。

現代へ受け継がれるDNA
なお、展示にはローズベリーによる作品も複数並び、2025年のアカデミー賞でアリアナ・グランデ(Ariana Grande)がパフォーマンス中に着用した赤いガウン、2021年カンヌ映画祭でベラ・ハディッド(Bella Hadid)がレッドカーペットを席巻した肺の形をした黄金の胸当て、そして2024年のランウェイに登場した古いフリップ式携帯電話と回路基板で構成された「ロボットベイビー(Robot Baby)」なども見られる。

展覧会概要 「Schiaparelli: Fashion Becomes Art」
- 会場:V&A サウス・ケンジントン(V&A South Kensington)、セインズベリーギャラリー(The Sainsbury Gallery)
- 住所:Cromwell Road, London, SW7 2RL
- 会期:2026年3月28日(土)〜11月8日
- 入場料:平日 £28.00 / 週末 £30.00(各種割引あり) 事前予約推奨
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