3月30日(現地時間)、サステナブル素材を強みとするフットウェアブランド「オールバーズ(Allbirds)」は、アクセサリーのデザイン・ライセンス・製造を手がける「アメリカン・エクスチェンジ・グループ(American Exchange Group/以下、AXNY)」と、最終的な資産購入契約を締結したことを発表した。これにより、同社の知的財産および一部の資産・負債がAXNYに譲渡される見通しであり、取引総額は約3,900万ドルとされている。
同取引は、独立取締役による特別委員会のもとで交渉され、取締役会の全会一致で承認された。なお、最終的な実行には株主の承認が必要であり、関連する委任状説明書は2026年4月下旬までに提出される予定だ。取引の完了は2026年第2四半期を見込み、その後の清算プロセスを経て、純収益の株主への分配は第3四半期に行われる見通しである。
ブランドの転換点としての資産売却
今回の資産売却は、単なる事業再編にとどまらず、ブランドの今後を左右する大きな転換点となる。オールバーズは2015年の創業以来、メリノウールや植物由来素材を活用したプロダクトを軸に、サステナビリティと快適性を両立するライフスタイルブランドとして成長してきた。
CEOのジョー・ヴェルナッキオ(Joe Vernachio)は、今回の発表に際し、次のように述べている。
「製品開発の推進、ブランド認知の向上、そして魅力的な顧客体験の提供に尽力してきたチームに、心から感謝しています。過去10年にわたり、オールバーズはモダンなデザイン、革新的な素材、そして比類なき快適性で知られるライフスタイル・フットウェアブランドへと進化してきました。AXNYとの新たな章は、これまで築いてきた基盤をさらに発展させ、今後の成長に向けた重要なステップとなるでしょう。」
決算発表の中止と清算プロセス
今回の発表に伴い、同社は当初予定されていた2025年第4四半期および通期決算の発表とカンファレンスコールを中止した。なお、2025年度の年次報告書(Form 10-K)は予定通り米証券取引委員会(SEC)へ提出される見込みである。
資産売却後は、会社の解散および清算手続きに進む計画となっており、これは上場ブランドとしてのオールバーズにとって、一つの区切りを意味するものとなる。
AXNYによるブランド再構築の可能性
アメリカン・エクスチェンジ・グループは、ファッションアクセサリーおよびブランドマネジメントにおいてグローバルに展開する企業であり、多様なライセンスブランドやプライベートブランドを手がけてきた実績を持つ。
今回の買収により、オールバーズの知的財産やブランド資産は新たな運営体制のもとで再構築される可能性が高い。製品開発、流通、マーケティングの各領域において、AXNYの持つネットワークと運営力がどのように活用されるのかが、今後のブランドの成長を左右する重要な要素となる。
サステナブル素材を強みとするオールバーズのDNAが、より広範な市場へと展開されるのか、それとも新たな方向性へと再定義されるのか。今回の資産売却は、その分岐点となる動きである。
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