3月31日(現地時間)、ロレアル(L’Oréal)はケリング(Kering)との戦略的提携のもと、ケリング・ボーテ(Kering Beauté)の買収完了を発表した。同取引には、世界有数のラグジュアリーフレグランスメゾンであるクリード(House of Creed)が含まれるほか、ボッテガ ヴェネタ(Bottega Veneta)およびバレンシアガ(Balenciaga)のフレグランスおよびビューティ製品に関する開発・製造・流通を対象とした50年間の独占ライセンス契約の締結が含まれている。
この契約は、2025年10月19日に発表された条件に基づくものであり、ロレアルとケリングの長期的な戦略提携を象徴する重要なマイルストーンと位置付けられる。
一方、グッチ(Gucci)については、現在のコティ(Coty)とのライセンス契約の満了後に、同様の50年間の独占ライセンス契約を締結する権利が発効する予定である。これは既存契約に基づくケリングの義務を遵守した形で進められる。
さらに両社は、ウェルネスおよびロンジェビティ(長寿)領域における新たな成長機会についても、合弁事業を通じて引き続き模索していく方針である。
ロレアル、ラグジュアリー領域での支配力をさらに強化
ロレアルのCEOであるニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)は、今回の買収について次のように述べている。
「グループを代表して、これらの卓越したブランドをロレアルファミリーに迎え入れることを大変嬉しく思います。今回の重要なマイルストーンは、ケリングとの戦略的パートナーシップをさらに強化するものであり、ビューティおよびラグジュアリービューティの両分野における世界ナンバーワンの地位を一層確固たるものにします。今後50年にわたり、これらの象徴的ブランドとともに新たな章を築き、その大きな成長ポテンシャルを解き放っていきます。」
また、ロレアル リュクス部門プレジデントであるシリル・シャピュイ(Cyril Chapuy)は、ポートフォリオ戦略の観点から次のようにコメントしている。
「今回の買収は、ロレアル リュクスにとって画期的な転換点となります。これらの象徴的メゾンをポートフォリオに迎えることで、私たちはラグジュアリーの本質である大胆な創造性、卓越したクラフツマンシップ、そして未来志向のビューティビジョンのもとに結束します。各メゾンの独自性を支えるチームを迎え入れることを特に誇りに思います。これにより、ロレアル リュクスのリーダーシップを強化し、世界で最も憧れられるラグジュアリービューティ体験を提供する存在となるという目標をさらに推進して参ります。」
また、ケリングのCEOであるルカ・デ・メオ(Luca de Meo)は、同提携について、同社にとって決定的な前進であるとの認識を示した。ビューティ分野におけるロレアルの比類なき専門性を活用することで、同社が擁する象徴的なブランド群のフレグランスおよびコスメ事業は、新たな成長加速フェーズへと移行すると強調した。さらに、この長期的なパートナーシップを通じて、創造性やブランドの魅力、卓越性を基盤に、それぞれのメゾンが持つ潜在力を最大限に引き出していく考えである。
ビューティ×ラグジュアリーの再編が示す次の競争軸
今回の取引は、単なるブランド取得にとどまらず、ラグジュアリーファッション企業とビューティ企業の関係性を再定義する動きでもある。従来、フレグランスやコスメはライセンス契約を通じて外部企業に委ねられるケースが主流であったが、近年はブランド価値のコントロールを強化する動きが顕著になっている。
ロレアルにとっては、クリードという高付加価値フレグランスメゾンの獲得に加え、ボッテガ ヴェネタやバレンシアガといったファッションメゾンのビューティ展開を長期的に担うことで、ラグジュアリービューティ市場における優位性をさらに高める動きである。
一方のケリングにとっては、自社のファッションメゾンの魅力を最大限に引き出しながら、ビューティカテゴリーにおける成長を加速させる戦略的布石となる。
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