3月31日(現地時間)米ファッション企業「PVHコープ(PVH Corp.)」は、2025年第4四半期および通期決算を発表し、売上高および利益がいずれもガイダンスを上回る結果となったことを明らかにした。カルバン クライン(Calvin Klein)およびトミー ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)の両ブランドが成長を牽引し、同社は売上面で回復基調を示した。
第4四半期の売上高は25億500万ドルとなり、前年同期比で6%増加。為替一定ベースでは横ばいながら、事前のガイダンスで想定されていた「微減」を上回る結果となった。通期売上高も前年比3%増の89億5,000万ドルと、計画通りの水準で着地している。
ブランド別では、トミー ヒルフィガーが前年同期比7%増と堅調に推移し、カルバン クラインも3%増を記録した。地域別ではアメリカが卸売事業を中心に成長し、EMEAも増収を確保。一方でアジア太平洋地域は旧正月のタイミングの影響などにより減収となった。
「PVH+プラン」による構造改革とブランド強化
同社の成長を支えた要因の一つが、戦略「PVH+プラン」の継続的な実行である。商品力の強化やマーケティング投資を通じて、両ブランドの存在感をグローバルで高めている。
CEOのステファン・ラーソン(Stefan Larsson)は「カルバン クラインとトミー ヒルフィガーという2つの象徴的なグローバルブランドの強さ、そして『PVH+プラン』の着実な実行により、第4四半期および通期において力強い成果を達成しました」と述べる。
また、2026年の見通しについては「2025年の成果を基盤に、2026年および重要な春シーズンは好調な勢いでスタートしています。通期では、両ブランドおよびすべての地域においてDTCの成長を見込んでいます」とコメントしている。
トミー ヒルフィガーにおけるF1チームとのパートナーシップや、NFL選手トラビス・ケルシー(Travis Kelce)の起用、カルバン クラインによる著名人を起用したグローバルキャンペーンなど、ブランド認知を高める施策も進行中である。
利益面では減速、関税と構造改革コストが影響
一方で、利益面では課題も浮き彫りとなった。2025年通期のEBITは、非調整ベースで前年比70%減の2億3,100万ドルとなった。主な要因は、約5億6,000万ドルにのぼるコストの計上であり、その中には約4億8,000万ドルののれんおよび無形資産の減損損失が含まれる。
さらに、粗利益率は前年の59.4%から57.5%へと低下。プロモーション強化による価格競争の激化に加え、米国への輸入品に対する関税が収益性を圧迫した。
それでも、これらの一時的要因を除いた調整後EBITは7億9,100万ドルと、前年からの減少幅は限定的にとどまっている。
2026年は「微増」見通し、関税が鍵に
2026年について、同社は売上が横ばいから微増となる見通しを示した。営業利益率は非GAAPベースで約8.8%と、前年と同水準を維持する見込みである。
一方で、米国における輸入関税の影響は引き続き大きく、通期で約215ベーシスポイントのマイナス影響が見込まれている。EPSにおいても、関税による1株当たり約3.30ドルの圧迫が想定されている。
同社は2026年も引き続きDTCの強化、デジタル投資、グローバルキャンペーンの拡大を軸に成長を図る方針である。売上は回復の兆しを見せる一方で、外部環境による収益圧力への対応が問われる局面にある。
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