ファーストリテイリング(Fast Retailing)、通期見通しを上方修正:ユニクロ海外の成長が過去最高益を牽引

Fast Retailing

4月9日(現地時間)、ファーストリテイリング(Fast Retailing)は、2026年8月期第2四半期(2026年2月までの6か月)決算を発表し、通期業績予想の上方修正を明らかにした。

同社は、2026年度の営業利益見通しを従来の6,500億円から7,000億円へ引き上げた。売上収益は3兆9,000億円、事業利益は6,900億円、親会社株主に帰属する当期利益は4,800億円を見込んでおり、いずれも過去最高水準となる見通しである。

上期は増収増益、収益構造の強化が顕在化

2026年8月期上期の連結業績は、売上収益が2兆552億円(前年同期比14.8%増)、事業利益が3,869億円(同28.3%増)と大幅な増収増益となった。親会社株主に帰属する当期利益も2,792億円(同19.6%増)へと拡大している。

この結果は、利益率の改善を伴う構造的な収益強化が進んでいることを示す。特に事業利益率は前年から改善しており、同社の収益基盤がより強固なものへと進化していることが読み取れる。

ユニクロ海外が成長の中核に

成長の中核を担ったのは、ユニクロ(UNIQLO)の海外事業である。ユニクロ海外の売上収益は1兆2,413億円(同22.4%増)、事業利益は2,330億円(同37.4%増)と大幅に拡大した。

中国本土を含むグレーターチャイナ、韓国、東南アジア、インド・オーストラリア、北米、欧州といったすべての主要市場で成長を記録している。この背景には、グローバル旗艦店および大型店の出店拡大と、通年商品を軸とした商品戦略の浸透がある。地域ごとの販売環境や需要変化に応じた商品提案が、各市場での売上と利益を押し上げた。

国内ユニクロとGUも堅調、収益性改善が進む

日本市場におけるユニクロは、売上収益5,817億円(同7.4%増)、事業利益1,107億円(同13.4%増)と増収増益を確保した。既存店売上は6.5%増と好調であり、通年商品および冬物商品の販売が寄与している。

また、ジーユー(GU)は売上収益1,684億円(同1.6%増)と小幅な伸びにとどまった一方で、事業利益は157億円(同20.1%増)と大きく伸長した。商品構成の見直しや数量計画の精度向上といった構造改革が、利益率の改善に寄与している。

グローバルブランドは課題も、一部で構造改革が進行

一方で、グローバルブランド事業は売上収益627億円(同7.5%減)、事業損失7億円と苦戦が続く。特にセオリー(Theory)の米国事業では、卸売事業の低迷や百貨店チャネルの不振、取引先の破綻に伴う貸倒損失が収益を圧迫した。

その一方で、PLSTは増収増益を確保しており、ブランドごとに明暗が分かれる結果となった。また、不採算店舗の削減などを含む構造改革も進められている。

上方修正の背景にある3つの要因

今回の通期見通しの上方修正は、主に以下の3点によるものだ。

・上期業績が想定を上回ったこと
・現在の販売環境を踏まえた下期見通しの引き上げ
・円安進行を反映した為替前提の見直し

為替の影響は調達コストを押し上げる一方で、海外事業の収益を円換算で押し上げる要因として作用している。

グローバル拡張と新たな接点づくり

さらに今回の上方修正は、足元の業績だけでなく、ファーストリテイリングが進めるグローバル戦略が、ブランド価値と収益の双方において着実に成果を生み始めていることを示している。

2026年2月には、チャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」の新作3型を世界発売し、社会的価値と商品展開を結びつける取り組みを継続。続く3月には、ロサンゼルス・ドジャースとの提携を発表し、ドジャー・スタジアム内に「UNIQLO Field at Dodger Stadium」を設置する計画を明らかにした。

さらに4月3日(現地時間)には、ニューヨーク公共図書館(The New York Public Library)との年間パートナーシップを発表。文化プログラムの支援に加え、マンハッタンのブライアントパーク、ウィリアムズバーグ、ユニオンスクエアでの新店舗オープンと連動し、ブライアントパーク店で限定のUTme!や刺繍デザインも展開している。

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