4月8日(現地時間)、米ラグジュアリー・ストリートウェアブランドの「フィア オブ ゴッド(Fear of God)」が、組織構造の抜本的な見直しに踏み切った。CEOであるバスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)が退任し、同時にCEO職そのものを廃止する決定が明らかになった。
ロサンゼルスを拠点とする同ブランドは声明において、「組織構造からCEO職を廃止する決定を下した」とし、「2025年にかけての主要施策を含め、事業の進展を支えた取り組みを評価している」と説明している。
また同社は「我々の責任は、目に見える成功や失敗を超えたところにあります。我々は、整合性、意図、そして配慮に導かれる永続的なビジョンにコミットしています」と声明でコメント。
さらに、「フィア オブ ゴッドをそのビジョンと目的に近づけるために貢献したすべての人々に感謝しています。我々は進むべき方向を明確にし、今後の道筋に集中しています」とも述べている。
短期間でのトップ交代と構造転換
ダグザンは2024年9月にCEOへ就任したが、在任期間は2年未満にとどまった。
フランス南西部出身のダグザンは、クリス ヴァン アッシュ(Kris Van Assche)でキャリアをスタート。その後、ルメール(Lemaire)のマネージングディレクターとしてブランド運営を担い、さらにプーチ(Puig)傘下のラバンヌ(Rabanne)ではファッション部門を統括した。2022年にはジャックムス(Jacquemus)に参画し、同ブランド初の外部経営トップとして手腕を発揮するなど、欧州ラグジュアリー市場で実績を積み重ねてきた。
また就任以前には、創業者の戦略アドバイザーとしてブランドアーキテクチャの構築やグローバル展開の方向性策定にも関与。CEO就任後は、ブランド認知の拡大、国際流通の強化、Eコマース事業の成長を主導し、2025年には自社EC売上の大幅な伸長を実現するなど、一定の成果を残したとみられる。
なお、退任後の動向については現時点で明らかにされていないが、今回のCEO職廃止により、創業者であるジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)が日常業務への関与を強める可能性が高い。関係者の間では、ブランドのビジョンと実行をより一体化させるための動きと捉えられている。
ラグジュアリーブランドにおいて、創業者やクリエイティブリーダーが経営に深く関与するケースは珍しくないが、今回のようにCEO職そのものを廃止する例は極めて異例である。今後、フィア オブ ゴッドがどのようにブランド価値と事業成長のバランスを取っていくのかが注目される。
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