高橋悠介率いる「シーエフシーエル(CFCL)」、自社工場「CFCL Knitting Factory」を設立

CFCL

1月28日(現地時間)、日本発のファッションブランド「シーエフシーエル(CFCL)」は、埼玉県草加市に自社工場「CFCL ニッティング ファクトリー(CFCL Knitting Factory)」を設立したことを発表した。

CFCLは2020年、デザイナーの高橋悠介によって設立されたブランドである。ブランド名は「Clothing for Contemporary Life(現代生活のための衣服)」の頭文字に由来し、日常に根差した機能性と、社会的責任を伴うクリエイションの両立を理念として掲げてきた。

ブランドの背景と技術哲学

高橋悠介は文化ファッション大学院大学を修了後、約10年にわたりイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)で経験を積み、2013年にはイッセイミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)のデザイナーを務めた人物である。そのキャリアを経て立ち上げたCFCLでは、3Dコンピューター・ニッティングを中核に据えた独自のものづくりを追求している。

CFCLにとってニットは、単なる素材ではない。3Dプログラミングによる生産技術そのものが、クラフトとテクノロジー、そして現代生活に求められる機能性を結び付ける要となっている。必要最小限の工程で立体的に編み上げる手法は、不要な廃棄を抑制し、衣服を「日常のための道具」として成立させる思想と直結している。

 

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生産を内包する「CFCL ニッティング ファクトリー」

今回設立されたCFCL ニッティング ファクトリーは、研究・開発・企画・生産を一貫して行うラボ型工場として設計された。完成時には約960平方メートル(約290坪)の空間に編み機47台が導入され、そのうち43台がホールガーメント(R)機となる予定である。

この工場は、デザインと生産を分断せず、アイデアから量産までを連続したプロセスとして実装するための物理的基盤である。クリエイションを成立させるための「場所」そのものを、ブランドが自ら引き受けるという選択だ。

「産業を引き受ける」という視座

日本のニット産業は長年にわたり高い技術力で世界のファッションを支えてきた一方、生産キャパシティの限界、人材不足、技術継承の停滞といった構造的課題に直面している。その背景には、高額な設備投資の負担を工場側に委ねる産業構造があり、結果としてクリエイションと生産の分断が常態化してきた。

CFCLは、この前提そのものに疑問を投げかける。ブランド自らが生産を担い、設備投資と運用に責任を持つことで、創り手と作り手が一体となる新たなモデルを構築しようとしている。この取り組みは、既存の取引工場を代替するものではなく、技術や知見、人材が循環する拠点として、協働関係を補完する役割を担うものでもある。

今回のCFCL ニッティング ファクトリー設立は、ブランドが掲げてきた理念と事業戦略が、「生産拠点」という具体的な形として結実した瞬間である。CFCLの試みは、日本のファッション産業が抱える構造的課題に対する一つの実践例として、現代に求められるサステナブルなものづくりの方向性を示している。

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