パリの老舗ジュエラーとして知られるブシュロン(BOUCHERON)は、パリのヴァンドーム広場近くにある有名なハイジュエリーの専門アトリエを戦略的に買収した。これによって、生産能力の拡大へのコミットメントを強化する。なお、同ブランドがジュエリーのアトリエを買収するのは今回が初の試みだ。
買収したアトリエは、ジュエリーメーカーのエタブリスマン・E・ブロンドー(ETABLISSEMENTS E. BLONDEAU)、ベルター(BELTER)、シャンソン & シー(CHANAON & CIE)、FGデブロプマン(FG DEVELOPPEMENT)の4社で構成されており、2017年から4社が同じ工房をシェアし、共同作業を行っている。現在、ハイジュエリー制作の各工程に携わる約60人の職人(CADデザイナー、宝石職人、宝石細工職人、セッティング職人、研磨職人)が在籍。ハイジュエリー作品を作るプロセスでシームレスな連携を実現している。
なお、2023年10月31日より、アトリエのメンバーらは正式にメゾン・ブシュロンの一員となり、同ブランドのアトリエの職人らと共にハイジュエリーの製作に携わっている。
ブシュロンの最高経営責任者であるエレーヌ・プリ・デュケン(Helene Poulit Duquesne)は、「このハイジュエリー工房の買収は、メゾンの歴史に新たな1ページを刻むものです。
ヴァンドーム広場にあるブシュロンの歴史ある工房の生産能力を強化し、卓越したクラフツマンシップを維持しながら、お客様の高まる需要にお応えすることができるようになります」と声明で述べた。
ブシュロンは、1858年にフレデリック・ブシュロンによって創業されて以来、4世代に渡り発展してきたハイジュエリーブランドだ。現在、同ブランドは世界中に50以上の店舗を持ち、フランスの巨大ラグジュアリー・コングロマリット、ケリング(Kering S.A.)の傘下にある。
ブシュロンの動きは、親会社であるケリングとそのグループ全体の業績と一致しており、2023年1-9月期の売上高は3%減の146億ユーロとなった。第3四半期だけで13%の減少を記録した。