3月7日(現地時間)、シャネル(Chanel)は2023-24年秋冬 プレタポルテ コレクションをパリ コレクション(=パリ ファッション ウィーク)で発表した。
新作コレクションのキャンペーンでは、日本の女優 小松菜奈がメゾンのアンバサダーを務めているが、当日会場には、小松と、彼女の夫であり俳優の、菅田将暉が夫婦揃って来場しフロントロウを飾った。
小松菜奈のキャンペーンビジュアルは、ゲストへの招待状からショー会場の壮大なスクリーン、ランウェイの中心に設置された巨大なカメリアに至るまで、大々的に今回のショーに使用され、小松自身もその豪華さに、驚きと喜びを露わにしていた。
また、メゾンのアンバサダーを務めているブラックピンク(Black Pink)のジェニー(Jennie Kim)や、韓国ドラマ「梨泰院クラス」などで知られる韓国の俳優 パク ソジュン(Park Seo-Joon)も来場。彼らが会場についた瞬間、会場周辺で出待ちをしている多くのファン達から高い歓声が響き渡った。
今回のシャネルのショーは、ブランドアイコンであるカメリアにスポットライトを当てたものだ。
メゾン創業者であるガブリエル ココ シャネルが初めてカメリアを採用したのは1913年のことで、ココはカメリアをベルトに留めて撮影した。その後の1924年以降のコレクションでもココ シャネルはカメリアを登場させている。その後後継者であったカール・ラガーフェルドがシャネルの指揮を執った36年間は、カメリアをデザインの主役としたコレクションが作られた。2005年に彼が手がけた秋のオートクチュールショーでは、4000本のカメリアを刺繍したウエディングドレスを発表して話題を呼んだ。
現在の同ブランドのクリエイティブ ディレクターであるヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)は30年間に渡り、ラガーフェルドの右腕として働いてきた人物だ。彼女もまた、2020年のメティエ・ダールのショーではこのテーマを取り上げ、コレクターズアイテムとなったカメリアジャケットを含むアイテムを発表している。
今回のショーについてのプレスリリースでヴィアールは、「カメリアは単なるテーマではなく、ブランドの永遠のコードなのです。カメリアの持つ、その柔らかさと力強さが好きです。」とコメントした。
ショーが始まると、黒、白、グレーのバリエーションにカメリアがふんだんに使われたルックが登場。白いカメリアが描かれたデザインの細身のロングコートが現れたり、光沢のあるレザーコートの襟部分に大振りの黒いカメリアがコサージュのようにあしらわれたりしていた。また、カーディガンやニットには大小の異なるサイズのカメリアがランダムに置かれ、ドット柄のようになっていた。その他にも各ルックの刺繍やボタン、チェーンベルトやバッグなどのアクセサリー小物のディテールに至るまで、あらゆる部分にカメリアが咲いた。
ショーの中盤には、メゾンの象徴と言えるツイードのスーツが多く登場。アシメントリーに取り付けられた大振りのフリルスカートや、フリルが大きな螺旋状の段になったスカートは、ツイードジャケットを更に女性らしくエレガントに仕上げていた。
フォナーレに差し掛かると、淡いピンクやレッド、バイオレットのカラーの柔らかなワンピースが現れ、フリルやレースのディテールでロマンチックでガーリーなムードを演出した。カメリア柄のシルクドレスが、セーターやロングジョンの上に重ね着されたルックはまるで、現代のパリジェンヌたちが街を颯爽と歩く姿を連想させるものだった。
まだまだ寒さが続くパリの街だが、たくさんのカメリアが咲き乱れたシャネルのショーでは、訪れた人々に少し早い春の兆しを感じさせてくれた。
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