米国のファッションブランドであるコーチ(COACH)は、このほど、インドネシアの首都ジャカルタに世界初のレストランとコーヒー・ショップをオープンさせた。
ジャカルタのグランド・インドネシア・モール内に作られた、この新しいダイニングスペースは、『ザ・コーチ・レストラン(The COACH Restaurant)』と『コーチ・コーヒー・ショップ(COACH Coffee Shop)』の2つ。レストランの方には、1941年から続くブランドの故郷であるニューヨークを象徴的するデザインが存分に反映されており、例えば、ビストロ風の革張りのテーブル席に座り、天井を見上げてみると、実物大のニューヨークのタクシーが吊り下げられている。
店内のデザインは、コーチのクリエイティブ・ディレクターであるスチュアート・ヴェヴァース(Stuart Vevers)とスタジオ・ソフィールドのデザイナー兼社長であるウィリアム・ソフィールド(William Sofield)が共同で制作したもの。
クラシックなニューヨークのステーキハウスを再構築した店内は、メニューカバー、ナプキンカフス、プレースマット、ウェイトスタッフ用エプロンに至るまで、ブラウン、グレー、ブラックの落ち着いた色合いで統一。ブロンズの鏡の壁、ステンレスと黒ずんだスチールの階段、白とグレーのテラゾの床、東南アジアの店舗を模したトロピカルな壁パネルの木製ルーバーなど、天然素材とインダストリアルな素材がミックスされることで、アメリカンヴィンテージな空間が広がっている。
メニューには、アメリカのステーキハウスの名物料理である、ストリップステーキ、ラムチョップ、シュリンプカクテル、ウェッジサラダ、クラシックマティーニなどが用意されている。
また、レストランの隣には、コーチのコーヒーショップ、『コーチ・コーヒー・ショップ(COACH Coffee Shop)』が併設。
カフェの店内は、クラシックなニューヨークのコーナーストアを遊び心たっぷりにアレンジしたインダストリアルなデザインとなっており、ピザやソフトクリームなどダイナーを象徴するメニューが楽しめる。また、コーヒーショップのマスコットであるリル・ミス・ジョーも登場し、ヴィンテージのニューヨーク・ダイナーのイメージにインスパイアされたコーヒーカップが飾られる。
コーチの最高経営責任者兼ブランド・プレジデントのトッド・カーン(Todd Kahn)は、「コーチ・レストランのオープンは、コーチにとって特別な瞬間です。」とコメント。
「このレストランは、これまでで最もホスピタリティを表現しているだけでなく、お客様のために没入型の体験を創造するという私たちの意思を示すものです。私たちがグランドインドネシアでデザインした体験は、私たちの故郷であるニューヨークからインスピレーションを得たものであり、今日のコーチのすべての行動の原動力となっている精神です。私たちは、お客様がご友人やご家族と一緒に座ってお食事をしてくださるのが待ちきれません。そして、これからも世界中のお客様にこのような体験をお届けしていきます。」と続けた。
また、ヴェヴァースは、「コーチ・レストランは、本当にエキサイティングなクリエイティブの機会であり、私たちの歴史における特別な瞬間でした。私たちの伝統の再構築を支持し、五感を楽しませる体験を通して、ファッション・ハウスのあり方の限界を押し広げるものです。」と述べ、「コーチのビジュアル言語を新しい没入型の方法で探求するために、ウィリアム・ソフィールドと仕事をするのは本当に楽しかった。私たちの故郷であるニューヨークの気風と折衷的なエネルギー、そしてコーチ特有の遊び心にインスパイアされました。私のビジョンは、想像力豊かでオフビートでありながら、温かく居心地の良い雰囲気を作り出すことでした。」と、このレストランのオープンについての想いを語った。
近年は、グッチやルイ・ヴィトン、アルマーニなど、多くのラグジュアリーブランドがファッションの領域を飛び出し、「食」の空間へ進出している。ファッションとダイニングが融合したスタイリッシュなスペースは、どの都市でも多くの顧客を惹きつけ、人気を集めている。
ジャカルタを訪れる際には、コーチの新しいアドレスで、アメリカブランドならではの「食」を堪能したい。