H&Mグループの新CEOにダニエル・エルヴェールが就任 | 低迷する売り上げ回復への期待

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1月31日(現地時間)、スウェーデンのファストファッション企業であるヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は、新しい最高経営責任者にダニエル・エルベール(Daniel Ervér)を任命した。これまで同グループのブランド責任者を務めていたエルベールは、前CEOであるヘレナ・ヘルマーソン(Helena Helmersson)の後任として業務を引き継ぐ。

新CEOに着任したエルベールは、現在42歳。2005年に夏季研修生としてH&Mの一員となって以来、マーチャンダイジングや購買担当マネジャーなどさまざまな職務を経験してきた。

前任のヘルマーソンは、26年間に渡り同グループに勤め、直近4年間はCEOとしての任務に励んだ。しかしその間に起きたパンデミックや、過剰な在庫、シーイン(SHEIN)などの競合他社との競争激化が原因で、時価総額は 5分の1 減少。また、H&Mの2023年第4四半期の営業利益率も、第3四半期の7.8%から7.2%に低下している。

近年では、10ドル以下で超低価格の商品を販売するシーインが消費者に驚異的な人気を集め、ファストファッション市場の大きなシェアを占めるようになった。そんな中、H&Mは、「昨年12月と1月の重要なホリデー商戦でも売上が減少し続ける」という事態に直面。このような困難な状況下で、エルベールは「どのようにH&Mが売上を伸ばしつつ、利益を増やせるか」ということを示していかなければならない。新体制となった同グループは、昨年まで重点をおいていたコスト管理と在庫管理から、今年度は売上を伸ばすことに注力をしていく必要があるだろう。

一方、H&Mの通期報告書によると、コス(COS)やアーケット(Arket)、ウィークデイ(Weekday)などの価格帯の高いブランドの売上が好調で、グループの収益に貢献しているようだ。

H&Mグループの会長を務めるカール・ヨハン・ペルソン(Karl-Johan Persson)は、声明の中で、「H&Mグループは、収益性が改善傾向にあり、2024年にさらなる改善を遂げるための好条件が整った、強い立場にあります。」と述べ、新CEOについて「ダニエルは有能で経験豊富な尊敬されるリーダーであり、H&Mグループの継続的な発展に必要な資質を備えています。」とコメント。

また、エルヴェール氏は、「献身的な仲間たちとともに、私たちはお客さまのために比類ない価値を創造し、利益ある成長を続けていきます。私たちの焦点は、刺激的で魅力的なショッピング環境の中で、ファッション、品質、価格、持続可能性の最高の組み合わせをお客様に提供することです。」と新たなスタートへの意気込みを述べた。