ディオール(Dior)インドのムンバイで2023年プレフォールコレクションを発表 | インドとの交友関係と伝統刺繍のヘリテージを祝う

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3月30日(現地時間)、ディオール(Dior)はムンバイのインド門を背景に、2023年プレフォールコレクションを発表した。

インド門は、1911年にジョージ5世とメアリー王妃がムンバイに訪れたことを記念して建立された巨大なムンバイのシンボルだ。その夜、インド門の真下には、ディオールによって草花や動物などインドの伝統的なモチーフが描かれた、高さ約46フィートのサイトスペシフィック アートワーク「トーラン」が設置され、その前方のランウェイは生花で美しく飾られていた。

SCENOGRAPHY RTW FALL 23 SHOW ©Niveditaa Gupta 1 1
インド門の前に現れた花木で装飾された美しいランウェイ Image: Dior
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Image: Dior

今回のコレクションは欧州のラグジュアリーブランドが始めてインドのムンバイで行う単独ショーであり、クリスチャン ディオールのウィメンズコレクションのクリエイティブ ディレクターであるマリア グラツィア キウリ(Maria Grazia Chiuri)のインドへ対する個人的な想いを込めたショーだと言う。

キウリは長年に渡りインドと人々と良好な交友関係を築いてきたことで知られ、これまで育んできたインドとの関係性やムンバイのチャーナキヤ工房とチャーナキヤ工芸学校(The Chanakya School of Craft)のディレクターであるカリシマ スワリとの協力関係や、友情を表現したいと考えていた。そういった経緯から、今回のコレクションはスワリと共同制作で行われ、インドの伝統的な工芸や刺繍を取り入れたルックがいくつも披露された。

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インドではラグジュアリー市場が急成長をしており、更なる発展性があるマーケットとして注目されている為、ブランドにとってムンバイでのショーの開催は好都合だったと言えるだろう。しかし、キウリの原動力は、そういったビジネス的な要因とは関係なく、インドの芸術性と創造性、そしてそれを永続させることだと話す。

「カリシマと私は25年以上前に出会い、何年も一緒に何かを探求したいと思い続けてきましたが、今回のコレクションでは本当にそれが実現しました。ファッションは時に、他の要素、形や色に集中し、テキスタイルや刺繍はそれほど中心的なものではないと考えています。しかし、それが原動力となることもあるのです。」と、キウリは語る。

クリスチャン ディオール クチュールの会長兼CEOであるデルフィーヌ アルノ(Delphine Arnault)は、ショーの開催にインドのこの地を選んだのは、ディオールが共有する歴史や情熱と深く結びついているからだと述べた。

アルノーは、「1947年のメゾンの始まりから、マーク ボハンからマリア グラツィア キウリまで、ムッシュ ディオールの様々な後継者のショーを通して紡がれてきたインドとの揺るぎない親和性は、常に革新と先祖伝来の伝統を組み合わせた数々のクリエイティブな対話の中で展開されてきました。」とコメント。

ショーは計99スタイルという大規模なもので、デザインのあちらこちらにインドの文化を関連づけるテイストのカラーやモチーフ、ミラーワーク、スパンコール、クラフトなどが散りばめられていた。それぞれのディテールには、キウリが愛するインドの伝統的なもの作りの技巧が息づく。

またシルエットは、インドの伝統的なエスニックから着想を得たイブニングコート、シルクのドレス、サリー風のドレープを寄せたスカートやガウンが取り入れられ、そこにプリントや刺繍で、インドの神聖な動物やインドの花草木、風景などが鮮やに生き生きと描かれていた。また、モデルの採用にも工夫がなされており、99名のモデルのうちの半数以上の56名がインド人モデル、残りの43名がインターナショナルモデルだった。

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Dior Pre-Fall 2023. Image: Dior
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Dior Pre-Fall 2023. Image: Dior

カラーは、ブラックで統一されたルックから始まり、順にベージュ、ホワイト、ゴールドの色調が登場してくる。中盤に差し掛かると、ディオールで当時クリエイティブ ディレクターをつとめていたマルク ボアンへのオマージュとして、グリーン、イエロー、ピンク、パープルといった鮮やかなカラーが追加された。その中でも、インドのホーリー祭からインスピレーションを得たという、ラニピンク(一般的なフーシャピンクのような色合い)やジャムニ(紫の色合い)といった色調は、インドでは男女共に人気のカラーとして親しまれているものだ。

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Dior Pre-Fall 2023. Image: Dior

またこの夜、世界中から多くのセレブリティたちがこの記念すべきコレクションを祝福する為にムンバイの地に集まった。

有名モデル、俳優のカーラ デルヴィーニュ(Cara Delevingne) 、ヤラ シャヒディ(Yara Shahidi)、フリーダ ピント(Freida Pinto)、メイジー ウィリアムズ(Maisie Williams)、シモーヌ アシュリー(Simone Ashley)を始め、ボリウッドスターではソナム アーウジャ カプール(Sonam Ahuja Kapoor)、アヌシュカ シャルマ(Anushka Sharma)とその夫でクリケット選手として知られるヴィラト コーリー(Virat Kohli)、シタール奏者のアヌーシャ シャンカール(Anushka Shankar)などが参加した。

Cara Delevingne
カーラ デルヴィーニュ(Cara Delevingne) Image: Pascal Le Segretain/Getty Images
Yara Shahidi
ヤラ シャヒディ(Yara Shahidi)Image: Pascal Le Segretain/Getty images
Sonam Kapoor
ボリウッドスターのソナム アーウジャ カプール(Sonam Ahuja Kapoor)Image: Pascal Le Segretain/Getty Images

今回のショーの実現で、インド、そしてチャーナキヤ工芸学校やディレクターのスワリとの素晴らしいパートナーシップを祝福したキウリは、今後もインドの文化や創造性を自身のインスピレーションへと反映させていく事だろう。ムンバイで史上初となる大規模なショーの実施の実現は、インド、そしてメゾンにとっても新たな歴史的瞬間となった。

ディオール(Dior)Fall 2023 Show