2月28日(現地時間)、ディオール(Dior)は2023年秋冬コレクションをパリファッションウィークで発表した。ディオールが提案する新コレクションは力強くも女性らしいパリジェンヌルックが印象的だ。
ショーが開催されたのはパリのコンコルド広場内。会場はポルトガルのアーティスト、ジョアナ ヴァスコンセロス(Joana Vasconcelos)によって手がけられた、カラフルで没入感のある空間に仕上がっていた。ショーが開始すると、会場の照明が落ち、そこから天井を覆い隠すほどの巨大な花が光の中から登場し、ロマンチックな演出で観客を魅了した。
クリエイティブディレクターであるマリア グラツィア キウリ(Maria Grazia Chiuri)は、これまでのコレクションで、ディオールが創り上げる「女性像」のインスピレーションを、歴史上に名を残し、フェミニズムの先駆者となった女性たちから得てきたが、今季はクリスチャン ディオールの妹であり、フランスのレジスタンス闘士として知られた、キャサリン ディオールに影響を受けたと話す。その言葉の通り新コレクションでは、シンプルで飾り気は少ないが、女性が持つ内なる「美」と「強さ」の両方がバランス良く表現された96着のルックが登場した。
コレクションの大半はブラック、ホワイト、グレーという基本的なカラーで構成されており、ミディスカートやアーガイル柄セーター、小さなレザーグローブ、ストラップレスドレス、オーバーサイズのウールコートなど、ベーシックなルックが並ぶ。それはまるで1950年代に第二次世界大戦を乗り越えて、生きてきた女性たちの確固たる決意や尊厳、力強さが、今を生き抜く女性像に当てはめられて現代風に「再構築」されたように見えた。
それに加えていくつかのルックには鮮やかなブルーや漆黒のレッド、そして3種類のレオパードプリントも取り入れられた。リアルな花をあしらったレザースカートや、クリスタルビーズを散りばめたスカートとそれに合わせたジャケット、シワの多いスキニータイのついた白いスカートなど、ディテールに宿る壮麗さは二度見するほど美しいものだった。
またキウリは、コレクションの着想をキャサリン ディオールの他にも、フランス出身のシャンソン歌手であり女優だったジュリエット グレコと、エディット ピアフの2人からも得たという。今回のディオールのコレクションに登場したプリントTシャツには、ピアフの代表曲である “Non, je ne regrette rien” が書かれていた。
かつてのクリスチャン ディオールが、暗く悲惨な戦争の後に、ファッションを通じて全ての女性に希望と喜びを与えようというしたように、キウリもまた、かつての女性たちが築いた歴史から今日の女性たちを勇気づけ、サポートしたいという想いが、コレクションを通じて伝わるものだった。
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