川久保玲とエイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)が手がけるドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market)のパリ店が5月24日に待望のオープンを迎える。世界で8店舗目のドーバー ストリート マーケット旗艦店となるこの店舗は、歴史とモダニズムが交錯するマレ地区(35-37, Rue des Francs-Bourgeois, Paris, 75004)に新たな風を吹き込もうとしている。
パリの新店舗は、1627年から1634年の間、ホテル・ド・クーランジュ(hôtel de Coulanges)として使用されていた歴史的建造物の1階と2階、そして3つの地下室のうちの1つを活用する。また、他の2つの地下室と中庭は、芸術、文学、音楽、コミュニティ・イベントなどを開催する場所となる予定だ。さらに、3階から5階には「ブランド開発」部門が置かれ、Airei、Erl、Honey F -king Dijon、Liberal Youth Ministry、Olly Shinder、Phileoを含む、約15の新進ブランドを支援・販売していく。
またこの店舗は、元々パリにあった美容に特化したドーバー ストリート パフューム マーケットに隣接しており、店内には、カフェ「ローズベーカリー(ROSE BAKERY)」も併設される。取り扱い商品には、コムデギャルソンのコレクションを始めとした、約150のアヴァンギャルドなデザイナーやの厳選されたラグジュアリーメゾンなど、マルチブランドショップとして多様なアイテムが揃う。
川久保が全てのデザインを手がけた独自性に満ちた美しい店内。販売スペースはウインドーディスプレーを持たない為、外からは洋服は見えない仕様となっている。「ニュー・カオス」を体現するようなこの斬新なデザインは、訪れる人々がその空間を通じて、自分の欲しいものを発見したり、出会ったりすることを意図しているのだ。
オープンを記念して、店内では「パオロ・ロヴェルシのための、パオロ・ロヴェルシによる『コム デ ギャルソン』(Comme des Garcons for and by Paolo Roversi)」と題したインスタレーションと展覧会が開催。また、地下では英国のデザイナー、マティ・ボヴァン(Matty Bovan)が、Tシャツのカスタマイズやデッドストック生地を使った服作りを行う期間限定の「アーティスト・イン・レジデンス」インスタレーションも展開される。
これまでドーバー ストリート マーケットは、ロンドン、東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、北京、シンガポールなどの主要都市にコンセプト・ストアをオープンさせてきた。設立から20周年を迎える今年、パリの新たな旗艦店が加わることで、川久保の美しく革新的な世界がさらに広がっていく。