英国のレザーシューズブランドであるドクターマーチン(Dr. Martens)が、中国のオンライン小売業者のテム(Temu)を訴訟した。同社は、テムがグーグル検索を操作し、ドクター・マーチンの類似品を検索結果に表示させていると主張。
サンデー・タイムズ紙(The Sunday Times)の報道によると、テムはグーグルに、「特定の市場でユーザーが『ドクターマーチン(Dr. Martens)』や『エアウェア(Airwair)』などのキーワードを検索した際に、同社のサイトで販売されている類似ブーツの広告を出すよう」広告費を支払ったとされている。
ドクターマーチンは、この意図的な操作によって、検索結果ではテムの類似品がドクターマーチンの商品よりも上位に表示されたことを指摘した。さらに同社は訴状の中で、テムの行為はグーグルのポリシー、特に商標権を侵害する広告を禁じるポリシーに違反していると述べている。とはいえグーグルでは、広告主が商標をキーワードとして使用することへの制限は設けられていない。
過去にもドクターマーチンは、ファストファッション・リテーラーを商標権侵害と不正競争行為で訴えている。2020年11月、同社は、シーイン(Shein)の姉妹小売店であるロムウェ(Romwe)が同社の模造品を販売しているとして、親会社のゾートップ・ビジネス社(Zoetop Business Co., Limited)に対し、訴状を提出した。
なお、ドクターマーチンは、2021年に株式を公開して以来、株価が83%近く下落している。今年1月の同社の第3四半期の売上高は、21%減の約3億4000万ドル(2億6710万ポンド)だった。
一方、テムの親会社であるPDDホールディングス(PDD Holdings)は、3月に年間売上高が90%増の349億ドル(約280億ポンド)に達したことを発表した。同社は広告収入の急増に伴って、急成長を遂げている。