9月8日(現地時間)、ヘルムート・ラング(Helmut Lang)は、新クリエイティブ・ディレクターにピーター・ドゥ(Peter Do)を迎えてから、初となるコレクションを披露した。
デザイナーのドゥは、2014年にニューヨークのファッションスクールFITを卒業し、その後LVMH Graduate Awardを受賞。その後、 フィービー・フィロのセリーヌのデザインチームに参加し、ランウェイコレクションの制作と開発を担当していた。2018年に自身の名を冠したライン、ピーター・ドゥを発表して以来、ドゥが創り出すモダンなミニマリズムは、ファッション業界で多くの人々に支持されており、彼が手がける新生ヘルムート・ラングへの期待はとても高まっていた。
就任が発表された時、ドゥは「ヘルムート・ラングほど先鋭的な思考を明確に体現した人物はいません。」「ヘルムート・ラングの遺産を守りつつ、私自身の視点と創造性を吹き込むことに深くコミットします。」と語っていた。
そんな期待と共にベールを脱いだ2024年春夏コレクションは、ニューヨーク・スタイルを象徴する、黒を基調としたウェアラブルなフォーマルウェアが多く見られた。ブレザーとパンツはシャープに仕立てられ、ニューヨークの街を走るイエローキャブのシートベルトを連想させるフーシャやイエローのストラップがアクセントに添えられた。さらに、幾何学的なカラーパターン、グラフィックTシャツ、プリント入りデニム、そして多彩なレザーシューズなど、様々なアイテムが登場し、ヘルムート・ラングのコレクションに新たな鮮やかさとモダンな要素を持ち込んだ。主なカラーパレットは、ニュートラルなもので統一されていたが、所々に華やぎを感じるネオンカラーも織り交ぜられていた。
ドゥのデビューは、長い間統一されたビジョンもリーダーシップもなく苦闘してきたブランドにとって、エキサイティングな新時代の幕開けとなる。ドゥがこれまでに成し遂げてきたファッション界での成功は彼の天賦のテクニックによるものであり、今後のシーズンでその才能を他のブランドのレパートリーに効果的に適用できるかどうかが問われていく。しかし、このコレクションを見た後に、「人々が着ることのできる服を作りたい」と語ったドゥの想いは、ヘルムート・ラングの快適な着心地とドレッシーなシルエットに反映され、人々の日常を彩る新たなワードローブとして受容されていく事を確信させられた。
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【Helmut Lang Spring/Summer 2024 Collection】
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