7月1日(現地時間)、マーク ジェイコブス(Marc Jacobs)は2024-2025年秋冬コレクションを発表し、そのクリエイティブなエネルギーと遊び心を全開にした。
わずか6分間という異例の速さで行われるマーク ジェイコブスのショーは、もはやお馴染みのスタイル。「joy, period」と名付けられたこのコレクションでは、デザイナーのマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が追求する純粋な喜びそのものが見事に表現された。
4ヶ月前の「2024年春夏コレクション」で話題をさらった「誇張された3Dシルエット」のインパクトは、そのまま今シーズンにも継承され、さらに一歩進んだ大げさで大胆な変容を遂げる。マリリン・モンローやミニーマウス、漫画の主人公といったアイコニックなキャラクターのコスチュームからインスパイアされた、オーバーサイズで立体感のあるデザインが登場し、着せ替え人形の洋服のようなそのデザインは、ポップでプレイフルなムードをへと再構築されていた。また、ジャケットにはお馴染みの大きなボタンが取り付けられ、ドレスのスカート部分には波打つような躍動感あふれるうねりが加えられた。
ショーは白を基調としたルックから始まり、クリーム色、ベビーピンク、スカイブルーのパステルカラー、ネオンピンクやマスタードイエロー、バイオレットといったヴィヴィッドなカラーパレットへと移り変わっていった。
ショーの締めくくりには、ディズニーのおとぎ話に出てくるプリンセスを彷彿させるようなガウンが3ルック連続で登場し、このコレクションの自由で気まぐれな精神をさらに強調した。
ジェイコブスがこのコレクションを通して示した「喜び」とはどのようなものだったのか。
ここ数年の間、クワイエット・ラグジュアリーがもてはやされ「可もなく不可もなく」なスタイルを好む人が増えたように感じる。そんな中、求められれば控えめなラグジュアリーを作ることも出来るジェイコブスが、あえて思いのまま作り上げた、「奇抜で風変わり」なスタイルの提案。
それは、この不安定で抑圧的な社会や時代に対しての反骨精神でもあり、自分らしく生きることの幸せや大切さを謳っているようだ。何よりショーのフィナーレに登場したジェイコブスの極長ネイルを見た時に、彼自身が「自分らしく生きること」への純粋な喜びを体現している一人なのだと、妙に納得させられた。
マーク ジェイコブス 2024年秋冬コレクションの全てのルックは、以下のギャラリーから。
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