メットガラ、2024年のテーマは「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美女たち – 蘇るファッション)」に

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11月8日(現地時間)、メトロポリタン美術館は、コスチューム・インスティテュートが2024年春に開催する特別展とメットガラのテーマを「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美女たち – 蘇るファッション)」と発表した。

発表に際して、コンデナスト・チーフ・コンテンツ・オフィサー兼ヴォーグ・グローバル・エディトリアル・ディレクターのアナ・ウィンター(Anna Wintour)を始め、メトロポリタン美術館のコスチューム・センター担当キュレーターのアンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)、メトロポリタン美術館のCEO兼ディレクターのマックス・ホレイン(Max Hollein)が記者会見を行った。

メトロポリタン美術館に所蔵される4世紀にわたる名品たちが蘇る

この展覧会では、インスティテュートのパーマネント・コレクションとして眠っている約250点のファッションアイテムを披露し、再び過去のコレクションを目覚めさせることを意味している。現在、このパーマネント・コレクションの85%はインスティテュートの敷地内に保管されており、残りはクイーンズの敷地外に置かれているという。

ボルトンは、「私たちは通常、解釈や、歴史的なものと現代的なものを並べることで、互いに情報を与え合い、盛り上げるようなコンセプトで、コレクションの衣装を再認識させようとする展覧会を行っています。しかし今回は、文字通り衣装を再認識させたかったのです」とこのテーマについてコメント。永く眠っていたコレクションの美しさを再び目覚めさせ、来館者の五感を刺激し、魅力に引き込むことが目的だ。

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Courtesy of The Metropolitan Museum of Art

テクノロジー技術による没入型のアクティベーション

また、この展覧会では、独自のリサーチ、保存分析、多様なテクノロジーを駆使して、所蔵されている歴史的な名品の感覚的能力を蘇らせ、探求していく。エキシビションの各スペースでは、歴史的なファッションと現代的なファッションが並べられ、来場者の視覚、嗅覚、触覚、聴覚を刺激するような没入感のある空間が広がるという。ビデオ・アニメーション、ライト・プロジェクション、サウンドスケープ、AI、CGIなど多様なテクノロジーによってデザインされるクリエイティブでイマーシブなアクティベーションを通じて、もはや身体と直接触れ合うことのできない衣服の匂い、音、質感、動きが伝えられていく。

ホレインは、「メットの革新的な2024年春のコスチューム・インスティテュート展は、私たちの想像力の限界を押し広げ、衣服の持つ多感な側面を体験させてくれるでしょう。この展覧会は、私たちの想像力の限界を押し広げ、衣服の多感な側面を体験するよう私たちを誘います。『Sleeping Beauties』展は、ファッションの傑作が着用時にどのように感じ、動き、音、香り、相互作用をするかを喚起することで、私たちのファッションへの関心を高め、最終的には展示作品の完全性、美しさ、芸術的な輝きをより深く鑑賞できるようになるでしょう。」と述べた。

そんな多彩なテクノロジーが駆使され実現するこの展覧会では、あるスペースの壁には、エリザベス朝時代のボディスに施された葉、植物、昆虫の刺繍が浮き彫りにされ、別のスペースの床には、20世紀初頭のスパンコールドレスのネックラインを縁取る蛇のアニメーションが映し出される。また、別のスペースの天井には、第二次世界大戦勃発直前にマドレーヌ・ヴィオネがデザインした黒いチュールのイブニングドレスを囲む黒い鳥のヒッチコック風の群れがプロジェクションマッピングされる予定だ。

展示の最後には、非常に壊れやすい為、マネキンに着せることができなくなった衣服の数々(本来の意味での『Sleeping Beauties=眠れる森の美女』)が、ガラスの「棺」に入れられて展示され、ペッパーズ・ゴーストと呼ばれるイリュージョン技術によって甦る。

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Courtesy of The Metropolitan Museum of Art

こうした様々な技術的なアクティベーション開発には、写真家であり、SHOWstudioの創設者でもあるニック・ナイト(Nick Knight)がビジュアル・プレゼンテーションのクリエイティブ・コンサルタントとして携わる。ナイトはボルトンとのコラボレーションでそのビジョンを現実化させていく。

また、香りの力で衣服に命を吹き込むのは、バレンシアガ(BALENCIAGA)のデムナ・ヴァザリアとコラボレーションで知られるアーティストのシセル・トラース(Sissel Tolaas)である。空間デザインに関しては、建築事務所 Leong Leong がメトロポリタン美術館のデザイン部門と協力して担当する。

ボルトン氏は、「この展覧会では、さまざまなテクノロジーを駆使して感覚を呼び覚まし、貴重な歴史的衣服や希少な現代ファッションに来場者が感覚的に「アクセス」できるようにすることで、これらの作品を再び蘇らせようと試みています。可能な限り幅広い人間の感覚に訴えかけることで、この展覧会は、展示された作品が本来意図されたものであったこと、つまり、生き生きとした、躍動感のある、現代的なファッションに再び触れることを目的としているのです。」と、述べた。

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Courtesy of The Metropolitan Museum of Art

2024年メットガラの筆頭スポンサーはTiktok

また、今回の筆頭スポンサーは、バイトダンス社の動画共有アプリ Tiktokであることが発表された。

「TikTokにアプローチした理由のひとつは、アクセスしやすいプラットフォームだったからです。私たちは、このショーを世界的に広めるという点で、可能な限り最大かつ最も広範なプラットフォームを持ちたかったのです」と、ボルトンは記者会見でスポンサーシップについて語った。その他、ロエベ(LOEWE)が協力企業としてサポートを提供し、コンデナスト社が後援に名を連ねる。

展覧会「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美女たち – 蘇るファッション)」は、2024年5月10日から9月2日まで、メトロポリタン美術館で開催される。

またこの特別展を祝福する為の前夜祭として知られるメットガラは、毎年5月の第1週の月曜日に開催されるファッション界の祭典。このガラで集まった資金は、コスチューム・インスティテュートの展覧会、出版物、収蔵品、運営、資本整備のための主要な年間資金源として活用されている。今後数ヶ月のうちに、メットガラの共同司会者とイベントの詳細が公開される予定だ。

2023年5月に行われた前シーズンのメットガラの様子は、こちらから。