9月9日(現地時間)、プロエンザ・スクーラー(Proenza Schouler)はオークション会社、フィリップス(Phillips)のパーク・アベニュー本社にて、2024年春コレクションを発表した。
才能溢れるデザイナー2人組のジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)は、今シーズンのコレクションの中で、新たなブランドのコードとなるプロエンザ・スクーラーのモノグラムを披露した。この新しいモノグラムは、2つのPが上下対象に並べられ、それ全体がSの文字にも見えるような、抽象化されたPSのインフィニティ・シンボルが特徴だ。実際に、このモノグラムが完成するまでに、マッコローとヘルナンデスは約9,000回のデザインを試行錯誤し、3年間もの歳月を費やしたという。こうして出来たPSモノグラムのデビューは、フィリップスがオンラインオークションで行った特別なプレゼンテーションによって、より一層注目を集めた。
プロエンザ・スクーラーといえば、これまでも繊細で洗練された女性へのワードローブを提案してきた。特に、昨シーズンの2023年秋コレクションでは、都会で暮らす女性たちが好む、「クワイエットラグジュアリー」に傾倒した、より洗練され、より控えめになったスタイルが生み出された。
2024年春コレクションでは、昨シーズンのこうしたコンセプトを継続しながらも、春にふさわしい軽快さがよりミニマルに表現されていた。それは、透明感のある美しいレイヤリング、背中の露出を考慮したニット、そして意図的なドレーピングなどであり、私たちの何気ない日常をより華やかに(だけど頑張り過ぎていない)してくれる様なディテールだ。
多くのファッションブランドがコレクションの度に、何か斬新なアプローチは出来ないかと揺れる中、マッコローとヘルナンデスは決してブランドのシグネチャースタイルを崩さない。大きくブランドを変化させることよりも、プロエンザ・スクーラーの安定したミニマルな美学をベースに、シーズンごとに、より繊細さと洗練さに磨きをかけていく。こうしたスタイルの継続性こそが、多くの女性達に長く支持され、愛されている秘訣だろう。
しかし、シンプルだけで終わることもない。そこにはいつも印象的なディテールも組み込まれている。例えば、ブリーチ加工が施されたストレートジーンズや、乗馬服の様な裾にストラップが垂れ下がる黒のレザーコートは、シンプルさの中に力強い個性を放つ。さらにウエストポーチがついたユーティリティ・ベルトは、これらのアイテムに実用性を加えた。また、手作業で編み込まれたメッシュのドレスや、無数の「砕けたガラス」の刺繍が施された薄紗のセパレートは、デザイナーの高いクラフツマンシップと繊細な芸術性を醸し出していた。
昨シーズンのコレクションと共鳴しながら、より「デイリーシック」を追求したプロエンザ・スクーラーの2024年春コレクションは、モノグラムのデビューと共に、よりタイムレスなファッションへの指針として親しまれていくだろう。
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