9月4日(現地時間)、プロエンザ スクーラー(Proenza Schouler)はニューヨークファッションウィークの公式カレンダーに先駆けて、2025年春夏コレクションのランウェイショーを開催した。会場はハリソン・ストリートに位置する歴史的なニューヨーク商取引所ビルで、1884年の建設以来、初めてファッションショーの舞台となった。
デザイナーのジャック・マコロウ(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)が発表した最新コレクションは、前シーズンの「クワイエット・ラグジュアリー」から脱却し、ブランドの本質へと立ち返ったものである。マコロウは、ここ数シーズンでブランドの「核」を徹底的に追求し、削ぎ落とせるものはすべて削ぎ落としてきたが、もはや削る余地がなくなったため、今回は改めて服を再構築したという。
そんなプロエンザ スクーラーの2025年春夏コレクションには、デザイナーの2人が原点とするアメリカンスポーツウェアに、巧みなカットとクラフト感、色彩、レザー、プリントといったブランドの定番要素が散りばめられた、数々の着心地の良いアイテムが展開された。
またヘルナンデスは、アメリカ人アーティストのバーネット・ニューマン(Barnett Newman)の作品からインスピレーションを得たと語り、ニューマンが描く線やストライプ、幾何学的な四角形が、今回のプロエンザ・スクーラーのコレクションにマリタイムなエッセンスを与えたという。コレクションには、風をはらんだようなストライプのシャツドレスや、マリンストライプのニットポンチョ、リラックス感漂うセーラーパンツなどのプレッピーなマリン要素が巧みに取り入れられていた。
船の帆をイメージしてデザインされたというオーバーサイズのポンチョは、スカーフのような正方形のシルエットが特徴で、生地が体に優雅にドレープしていた。また、袖なしのストライプトップスとボタン付きセーラーパンツのコンビネーションや、流れるようなフローラルプリントのドレスは、肌をちらりと見せながらも、動きのある美しいシルエットを際立たせるものに。
ショーの後半には、フリンジを主役にしたイブニングガウンが立て続けに披露された。ストラップレスのロングフリンジドレスや、空気を含んだシルクオーガンジーのチューブで作られたフリンジ。その他にも、ブランドのシグネチャーであるジャージー素材のミューズドレスのリミックスや光沢のある黒いコートの下に覗く遊び心のあるフクシアの羽根刺繍ミニスカートなど、様々な形で大胆なフリンジが取り入れられた。
カラーパレットはブラック、アイボリー、淡いラベンダーなどミニマルな色調だが、モデルが歩くたびにフリンジがゆらめくと、そのディテールによって優雅な雰囲気が強調されていた。
その他、足元には、フリンジ付きのローヒールTサンダルやスポーティなモノグラムスニーカーが登場。また、フットウェアブランドのソレル(Sorel)とコラボレーションをした、キャリブーマルやチェルシーブーツも披露され、洗練されたウィメンズルックにタフな印象のアクセントを添えた。
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