2月26日(現地時間)、「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」は「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」の支援を受け、ミラノファッションウィークで新たなコレクションを発表した。ドルチェ&ガッバーナのデザイナーであるドメニコ ドルチェとステファノ ガッバーナは、これまでも若いクリエイターへの支援を続けているが、今回は日本人デザイナーである小泉智貴のサポートを決定。
コイズミは「ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナの多大なサポートを受けて、ミラノで初めてのショーを開催できることを本当に光栄に思います。」とその嬉しさを伝えていた。
トモ コイズミのデザイナーを務めるコイズミは、2019年2月のニューヨークファッションウィークでマーク・ジェイコブスの支援を受けてデビュー。それをきっかけに国際的な評価と知名度を得た日本のファッションデザイナーである。
コイズミの作り出すコレクションは、ボリュームのあるカラフルなフリルが特徴であり、歌舞伎や芸者など日本の伝統文化にインスパイアされた作品を多く発表してきた。彼の作品は、ケイティ・ペリーやレディー・ガガ、カーディ・Bなどのセレブリティに着用されている。またファッションラインに加え、コイズミはプッチやエミリオ・プッチなどのブランドとコラボレートし、舞台や映画の衣装も手掛けている。
今回のショーは、ドルチェ&ガッバーナ本社で行われた。ドメニコ ドルチェとステファノ ガッバーナからはショー会場のサポートだけではなく、いくつかのルックへの素材も提供された。
コレクション名は『Don’t Forget to Bring Your Flowers』(花束を忘れないで)。コイズミはショーの前に「友人の家に行くとき、花束をプレゼントするのですが、これはミラノの人たちに向けた花束です。戦争が起こってしまったり、コロナが起きた後でも、人々に喜びを与えたいと心から思っている。」とコレクションに込めた想いを語った。
ショーの序盤に登場したルックは、まるでドルチェ&ガッバーナのアルタ・モーダ・コレクションのファンタジックな作品と見間違うほど優美なもの。また、シルクリボンのコルセットは、小泉の特徴である立体的なフリルを撚り合わせたサテンの上にのっており、まさに二人に敬意を表して作られたように見えた。
ショーの中盤に差しかかり、ポリエステルオーガンジーのフリルを使ったハイライターイエローのコートとシャルトリューズのスカートが登場すると、それ以降のルックはさらにそのボリュームと華やかさを増し、コイズミの持つユニークな美学が炸裂していた。
モデルのテス・マクミラン(Tess McMillan)は、彼女の赤毛にマッチした桃色の美しいケープを身にまとった。また、前が短く、後ろが長いガウンには、カラフルで巨大なラッフルがまるで後光のように添えられた。
ショーのフィナーレには、5人のモデルがレインボーストライプのドレスを纏って連なって歩き、その光景はなんともシュールだったが、その壮大さはミラノファッションウィークの中で、素晴らしい瞬間を人々に与えた。
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