メタバースファッションの核となるソーホーエリア
デジタルファッションは現実世界にも広がりを見せ始めた。この数年でファッションリテールが多く立ち並ぶニューヨークのソーホーエリアでは、AR試着やNFTを取り入れたコンセプトストアが着実に増えている。
ARファッションプラットフォームとして知られるZERO10(ゼロテン)は、今月9月7日にクリエイティブスタジオのCrosby Studios(クロスビースタジオ)と共同で、ニューヨークのソーホーに初のAR統合リテールポップアップを立ち上げた。
現実世界からメタバースへの入り口となるクロスビースタジオがデザインしたコンセプトスペースでは、来場者はゼロテンのARファッションテクノロジーによって作られた5つのデジタルアイテムを試着することが可能だ。
このポップアップストアでは従来のリテールストアのような洋服ラックやキャッシュレジスターなどの設置に依存するのではなく、物理的なオブジェクトや非効率的なプロセスに気を取られずに、来場した人々がARによるコンテンツ制作や、探索をするできるインタラクティブなスペースになっているのが特徴的である。
また、スペース全体がインスタ映えするデザインになっており、中にはいくつものフォトブースが設置されていたり、無料でタピオカティーを楽しめるEat Me Milk Me(イートミーミルクミー)のテイスティングコーナーが用意されていたりと、来場者同士が楽しみながら交流できる場にもなっている。
デジタルとリアルが融合する世界へ
このコレクションは、クロスビースタジオの創設者であるHarry Nuriev氏(ハリー・ヌリエフ氏) が、バーチャルリアリティとデジタル領域の要素を物理的な世界と融合させるというアイデアに触発されデザインしたものだ。
ユニークな作品には、チェック柄のスーツ、薄手のシャツ、ピクセルのヒョウ柄パーカー、消えるズボン、ビデオ ゲームのパンツが含まれている。コレクション全体にはさまざまな質感と色が散りばめられており、ポップアップ内のインテリアと同様にクロスビースタジオの特徴的なピクセルプリントが施されている。
来場者は5つのデジタルコレクションから3つのデジタルアイテムを無料で試着し、ゼロテンのアプリ内にあるデジタルワードローブに無料で画像や動画を保存することが出来る。
また、残り2つのデジタルアイテムは、NFTとしてそれぞれ0.1イーサリアムと5ドル(約690円)で販売されており、試着する前に 1 つ特別なアイテムを購入する必要がある。もう 1 つは、ゼロテンのアプリからNFTの限定版コレクションとして購入できるようになっている。
デジタルウェアの試着にはまずフィッティングルームに入り、iPhoneで所定のQR コードをスキャンをする。そこからコレクションが存在するゼロテンのアプリのページに移動し、リアルタイムでカメラロールから写真をアップロードすると、AR試着アイテムにアクセスすることができるのだ。また、iPhoneを持っていない来場者のために、備え付けのiPhoneも用意されているというからなんとも良心的だ。
ここでのアイテムはよりインタラクティブに作られており、プリントの消失やグラデーションなど、AR テクノロジーでしか実現できないさまざまな特殊効果を試すことも出来る。
入場には事前予約が必須
このポップアップストアは、本日9月7日にオープンし、9月18日まで期間限定で開催される。来場者は人数制限がされており、事前にゼロテンのWebサイトにサインアップして、チケットの取得が可能。
また、クロスビースタジオがゼロテンの為にデザインしたこのコレクションは、ポップアップの期間中「ポップアップストア内」のみで入手することが出来る。ポップアップストアがクローズした後は、9月18日からゼロテンのアプリを通じて独占的に入手可能になる予定だ。
最先端のAR技術によって作られたデジタルファッションを通じて、ニューヨークでユニークな体験を楽しもう。