ジミーチュウを擁するカプリ・ホールディングス(Capri Holdings)、2025年度第1四半期は2桁減で苦戦

Capri Holdings

8月8日(現地時間)、ラグジュアリー・リーダーのカプリ・ホールディングス・リミテッド(Capri Holdings Limited, NYSE:CPRI)は、2024年6月29日に終了した2025年度第1四半期の財務結果を発表した。

ヴェルサーチェ(Versace)、ジミーチュウ(Jimmy Choo)、マイケル コース(Michael Kors)を擁する同社は、ラグジュアリー商品に対する世界的な需要減少など、さまざまな課題に直面し、前年同期比で13.2%の減収を記録。総売上高は10億7000万ドルとなり、純損失は1,400万ドルで、昨年同期の純利益4,800万ドルから減少した。調整後の純利益も400万ドルとなり、前年の8,800万ドルから急減している。

カプリ・ホールディングスの2025年度第1四半期の財務ハイライトは以下の通りである。

主要な財務ハイライト:

  • 売上高: 報告ベースで13.2%、一定の為替レートを用いた場合で12.1%減少。
  • 粗利益: 粗利益は6億8900万ドルで、粗利益率は64.6%に低下(前年は66.1%)。
  • 営業利益率: 調整後営業利益率は1.5%、営業損失は800万ドル(前年は8000万ドルの営業利益)。
  • 1株当たり利益: 調整後の1株当たり利益は0.04ドルで、前年の0.74ドルから大幅に減少。
  • 純損失: 純損失は1400万ドル、希薄化後の1株当たり損失は0.11ドル(前年は4800万ドルの純利益)。
  • 在庫管理: カプリの継続的な在庫管理の取り組みが反映され、純在庫は前年比で23%減少。
  • キャッシュフロー: 営業キャッシュフローは8300万ドルのプラス、フリーキャッシュフローは4000万ドルのプラス(前年は1000万ドルのマイナス)。

カプリ・ホールディングスの会長兼CEOであるジョン・D・アイドル(John D. Idol)は、今四半期の業績に失望を表明し、ラグジュアリー・ファッション業界全体が直面している世界的な課題に次のように言及した。

「全体として、第1四半期の業績には失望しました。これは、ファッションラグジュアリー商品に対する世界的な需要の減少が引き続き影響を与えたためです。厳しい世界的な小売環境を考慮して、引き続き運営費用や在庫レベルを慎重に管理しています。今後も、各ラグジュアリーブランドにおいて長期的な持続可能な成長を実現するために、戦略的イニシアチブの実行に注力してまいります。」

ブランド別業績は以下の通りである。

  • ヴェルサーチェ: 売上高は15.4%減少し、特にアメリカ大陸(15%減)、EMEA(22%減)、アジア(3%減)で減少。同ブランドは1700万ドルの営業損失を計上した。
  • ジミー チュウ: 売上高は5.5%減少し、アメリカ大陸では6%の増加があったものの、EMEA(5%減)、アジア(17%減)での減少が見られた。同ブランドは400万ドルの営業利益を確保した。
  • マイケル コース: 売上高は14.2%減少し、アメリカ大陸(10%減)、EMEA(21%減)、アジア(23%減)での減少が見られたが、同ブランドは7500万ドルの営業利益を維持した。

プレスリリースによると、カプリ・ホールディングスは、今後、現在連邦取引委員会(FTC)による法的挑戦を受けているタペストリー(Tapestry, Inc.)社との買収契約の完了に注力していく。同社は、この取引がブランドに新たな成長機会をもたらし、株主に大きな価値を提供することを確信しているとした。

また、今後の見通しとして、カプリ・ホールディングスは、タペストリー社との買収交渉が進行中であるため、今四半期の財務見通しの提供およびカンファレンスコールの実施を見送ることを決定している。