2月11日(現地時間)、グローバルなブランドマネジメント企業であるブルースター アライアンス(Bluestar Alliance LLC)が、ラグジュアリーストリートウェアブランドのパーム エンジェルス(Palm Angels)の買収を発表した。
この動きは、同社がオフホワイト(Off-White)をLVMHから買収したことに続くものであり、ラグジュアリーとストリートウェアの融合を加速する戦略の一環といえる。今回の買収により、ブルースター アライアンスはハイエンドストリートウェア市場における影響力をさらに強化することとなる。
パーム エンジェルスは2011年にフランチェスコ・ラガッツィ(Francesco Ragazzi)によるロサンゼルスのスケートカルチャーを記録する写真プロジェクトとしてスタートし、2015年にはアパレルブランドへと進化した。アメリカのストリートカルチャーとイタリアのクラフトマンシップを融合させた独自のスタイルが特徴で、現在では世界的な人気を誇るブランドの一つだ。ミュージシャンやセレブリティからも支持されながら、ラグジュアリーストリートウェアの分野で確固たる地位を築いてきた。
なお、ラガッツィは、パーム エンジェルスの新たなステージへの移行について、「パーム エンジェルスは、ラグジュアリーとストリートカルチャーの交差点を形作ってきました。新たなフェーズに入る今、私は一歩退きますが、ブランドのさらなる成功を心から願っています」とコメントしている。
ブルースター アライアンスの戦略と今後の展開
買収先のブルースター アライアンスは2006年にジョセフ・ガバイ(Joseph Gabbay)とラルフ・ギンディ(Ralph Gindi)によって設立されたブランドマネジメント企業であり、現在はファッション、ライフスタイル、コンシューマーブランドを多数所有・管理している。コンテンポラリーからラグジュアリーまで幅広いブランドを手掛け、年間小売売上高は90億ドル以上にのぼる。現在、同社は400以上のライセンシーを管理し、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、南米、アジア、アラブ首長国連邦、中東、インドなどに500以上の直営店舗を展開している。
今回の買収について、ブルースター アライアンスのCEOであるジョーイ・ガバイ(Joey Gabbay)は、「このブランドはストリートウェアとラグジュアリーを橋渡しする独自の存在として、ファッション業界で確固たる地位を築いています」と述べ、「我々はパーム エンジェルスがさらなる進化、革新、そしてグローバル展開を遂げられるよう全面的に支援していきます。この買収は、文化的に重要で消費者に支持される象徴的なブランドを成長させるというブルースター アライアンスの戦略と完全に一致しています」と続けた。
また、ブルースター アライアンスのCOOであるラルフ・ギンディ(Ralph Gindi)は、「パーム エンジェルスは、カルチャーの先駆者—つまり、トレンドを生み出し、ファッションの未来を創るヴィジョナリーたちに響くブランドです。世界中のストリートでトレンドを生み出す人々がパーム エンジェルスを着ています。新たな章に突入する今、世界中のクリエイティブな才能を結集し、ファッションの未来を形作ることを誇りに思います」とコメントしている。
近年、ラグジュアリー業界では、新たにストリートウェアブランドを取り込むことで、より幅広い層の顧客を獲得しようとする動きが活発化している。パーム エンジェルスもまた、独自のブランドアイデンティティを持ちながら、ブルースター アライアンスの支援のもと、さらなる成長を遂げていくことが期待される。
Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.