ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、ロエベのクリエイティブ・ディレクターを退任ー次なる舞台はディオールか?

Jonathan Anderson

3月17日(現地時間)、ロエベ(LOEWE)のクリエイティブ・ディレクターを務めたジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、11年にわたる在任期間を終え、退任することが明らかになった。アンダーソンは、ロエベを伝統的なレザーハウスから、クラフトマンシップとコンテンポラリーな美意識を融合させ、ブランドの方向性を変貌させたことで一時代を築き上げた。

近年、ラグジュアリーブランドにおけるクリエイティブ・ディレクターの交代が相次ぐ中で、アンダーソンの次なる動向に関しても憶測が広がっている。特に、ディオール(Dior)のクリエイティブ・ディレクターに就任する可能性が高いとされており、一部ではすでに2026年春夏メンズコレクションの制作に着手しているとの見方もある。

なお、アンダーソンは、自身のSNSを通じて以下の声明を発表した。

「11年前、私は驚くべき機会を与えられた。179年の歴史を持つロエベという物語に、自らの章を書き加える機会を。

ロエベでの最初の日から、私はデザインスタジオやアトリエの仲間たちの中に、共鳴する魂を見つけた。彼らの才能は当時も今も比類なく、その技術を共に分かち合えたことに心から感謝している。

この11年間、私は想像力、技術、粘り強さ、そして創造的な解決力を持つ人々に囲まれ、どんなに大胆なアイデアにも「イエス」と言ってもらえる幸運に恵まれた。ブランドは一つのショーや最初の一年で築かれるものではなく、シーズンごとに、年を重ねながら、そのブランドにとって何が正しいのかを見極め、じっくりと形作られるものだと実感している。

私が最も誇りに思うことの一つは、『クラフト・プライズ』の創設だ。消えつつある職人技を守り、若いクリエイター、名匠、そして新しいアイデアを支援し、広く可視化するための本物のプラットフォームを生み出せた。支えてくれた財団チーム、審査員、専門家の皆さんに、心から感謝を捧げたい。

私は初日から、文化的なブランドを築くことを思い描いていた。その実現には、多くのアーティスト、職人、遺産管理者、財団、美術館、ギャラリーの皆さんの信頼と寛大さが不可欠だった。この場を借りて、深い感謝を伝えたい。

私のビジョンを支えてくれたすべての方々、ショーの実現に尽力してくれた皆さん、キャンペーンに参加してくれた方々、記事を書いてくれたジャーナリスト、製品を手に取ってくれたお客様、そして投稿に『いいね!』をしてくれたすべての方々へ——あなたたちが、この道のりを可能にしてくれた。

『すべての素晴らしいことには終わりがある』と言われるが、私はそうは思わない。私の章はここで幕を閉じるが、ロエベの物語はこれからも長く続いていく。そして私は、それを誇りをもって見守り続けるだろう。 ー愛を込めて、ジョナサン」

なおロエベは、米WWD独占で発表した短い声明の中でアンダーソンの退任を明らかにしたが、後任については言及していない。

一方で、アンダーソンの後任候補として浮上しているのが、プロエンザ スクーラー(Proenza Schouler)の創設者でありデザイナーのジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)だ。今年1月に自身のブランドを離れた二人が、ロエベの新たなクリエイティブ・ディレクションを担う可能性が高いと業界内で噂されている。

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