ファッションスタイリストとして活躍し、オフ-ホワイト(Off-White™)のクリエイティブ・ディレクターも務めるイブ・カマラ(Ib Kamara)が、イギリスのカルチャー誌『デイズド(Dazed)』の編集長を退任することが明らかになった。任期は4年間に及び、最終号は2024年6月に発行される予定である。
カマラは2021年に編集長に就任し、ファッション、音楽、映画、スポーツのジャンルを横断する独自の表現を誌面に持ち込んだ。彼の編集ビジョンのもとで登場したカバースターには、リアーナ(Rihanna)、ハリー・スタイルズ(Harry Styles)、ロザリア(Rosalía)、デュア・リパ(Dua Lipa)、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、大坂なおみ(Naomi Osaka)、テイラー・ラッセル(Taylor Russell)らが名を連ねており、まさに時代の空気を映し出す誌面をつくり続けてきた。
また、彼の任期中にギャレス・ライトン(Gareth Wrighton)がアートディレクターに、ケイション・メイヤーズ(Kacion Mayers)がエディトリアルディレクターに起用され、2人とも6月にカマラと共に退任する。
退任に際し、カマラは以下のように声明を発表している。
「ジェファーソン、サス、そしてDazedのチームが、制限なく私たちの表現を支えてくれたことに感謝しています。チームと、誌面で一緒に仕事をしてきたすべてのコラボレーターをとても誇りに思います。この象徴的なプラットフォームのクリエイティブリーダーの一人でいられたことは、私にとって永遠の名誉です。そして今、バトンが次世代へと渡され、新たな才能の声が広がっていく未来を楽しみにしています。」
Dazed MediaのCEOで共同創設者のジェファーソン・ハック(Jefferson Hack)は、カマラの功績について次のように述べている。
「どの世代にも、ファッションイメージの新たな時代を築くスタイリストが現れる。イブ・カマラはまさにその最前線にいる存在だ。彼は物語性、演劇性、グラフィックなシルエット、そしてオリジナリティを融合させ、若く大胆な感性でファッションの語彙を刷新してきた。Dazedでの期間中、彼は常に世界に目を向け、ブラジル、上海、ナイジェリア、ガーナといった地からインスピレーションを受け、それをDazedのビジュアルに還元してきた。」
カマラはまた、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の後を継いで、2022年にオフ-ホワイトのアート&イメージディレクターに就任し、2024年2月には同ブランドのクリエイティブ・ディレクターに昇格している。Dazedの枠を超え、シャネル(Chanel)、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)、バーバリー(Burberry)、フェラガモ(Ferragamo)、グッチ(Gucci)、ケンゾー(Kenzo)などの名だたるブランドとも協業。そのほかに、『Vogue』『W』『Double』といったメディアでも活躍してきた。
さらに、彼はマリク・ボディアン(Malick Bodian)、キャンベル・アディ(Campbell Addy)、エイダン・ザミリ(Aidan Zamiri)、ガブリエル・モーゼス(Gabriel Moses)、レネル・メドラノ(Renell Medrano)、ジャスティン・フレンチ(Justin French)ら新進気鋭のフォトグラファーを誌面に登場させ、表現の幅を広げてきた。その多様性と物語性に富んだビジュアル表現が高く評価され、2021年には英国ファッション協議会(British Fashion Council)より「イザベラ・ブロウ賞(Isabella Blow Award for Fashion Creator)」を受賞した功績も持つ。
現時点でカマラの後任は発表されていない。
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