コティ(Coty)、戦略的刷新の一環で700人規模の人員削減を発表

Coty

4月23日(現地時間)、カバ―ガール(Covergirl)やカイリーコスメティクス(Kylie Cosmetics)などを展開する米ビューティー大手のコティ(Coty Inc.)が、グローバルで最大700人規模の人員削減を行う方針を発表した。この施策は、同社が推進する変革プログラム「All-in to Win」の次なるフェーズの一環であり、パンデミック最中の2020年に開始された戦略の延長線上に位置づけられる。

発表によると、削減対象となるポジションの詳細は明かされていないが、コティは「影響を受ける従業員に対して、すべての必要な規則に則った対応を行う」としている。また、この施策に伴う一時的なキャッシュコストは約8,000万ドル(約120億円)と見込まれ、2027年前半から本格的に開始される予定である。

同時に、年間約1億3,000万ドル(約195億円)の固定費削減が期待されており、内訳は2026年に約8,000万ドル、2027年に約5,000万ドルを見込む。さらに、2025年にはサプライチェーンと調達領域の効率化を通じて、1億2,000万ドル(約180億円)の追加的なコスト削減も目指すとしている。

コティの最高経営責任者(CEO)であるスー・ナビ(Sue Nabi)は、声明で次のようにコメント。

「私たちは、持続可能な成長に向けて、より強く、よりレジリエントなコティの構築にコミットしています。2020年度、コロナ禍の混乱がピークに達していた時期に『All-in to Win』プログラムを発表した際には、大幅な固定費削減、サプライチェーンの簡素化、調達コストの削減、戦略的な収益管理施策を通じて、利益率向上とブランド再投資力の強化を目指していました。」

今回の刷新フェーズでは、以下の4つの柱が掲げられている。第一に、主要市場における組織構造のスリム化を通じた業務効率の最大化。第二に、リージョナル体制に合わせたサポート機能の統合と集約。第三に、リソースの集中によるイノベーションインパクトの強化。そして第四に、人的コスト以外の固定費を全社的に削減する施策である。

続けてナビは、近年のビューティー業界およびグローバル経済の変化にも言及。

「近年、ビューティー業界およびグローバル経済において、Eコマースの急速な拡大、小売チャネルや顧客の統合、ブランド認知方法の変化といった循環的・構造的な変化が進んでいます。コティも再び適応と進化が求められています」と語った。

また、「この次の変革フェーズにより、当社のオペレーティングモデルをさらに強化し、固定費構造を簡素化します。これらの変革は、今後数年間でコティがビューティーマーケットを上回る成長を遂げる強固な基盤となるでしょう。香水カテゴリーにおけるグローバルリーダーとしての地位を確固たるものにしながら、成長性・収益性の高いビューティーカテゴリーにも拡大し、売上総利益率とEBITDAマージンの着実な向上を目指します」と締めくくっている。

なお、ビューティー業界では同様の動きが相次いでいる。ユニリーバ(Unilever)は、2025年中に7,500人以上の人員削減を進める方針を発表し、エスティ ローダー カンパニーズ(Estée Lauder Companies)も、2026年度末までに約7,000人の削減を予定している。

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