5月1日(現地時間)、LVMH モエ ヘネシー ルイ ヴィトン(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)傘下のジュエリーメゾン、ティファニー(Tiffany & Co.)は、メキシコシティの高級ショッピングエリアとして知られるマサリク地区に新たな旗艦店をオープンした。同出店は、ラテンアメリカ市場におけるブランドプレゼンスのさらなる拡充を示す象徴的な取り組みである。
878平方メートルにおよぶこの新店舗は、ニューヨーク、フィフスアベニューの旗艦店「ザ・ランドマーク(The Landmark)」を彷彿とさせる造りとなっている。外観には、メゾンを象徴するブルーのグラデーションを施した手作りの陶器タイルがあしらわれ、ルイス・コンフォート・ティファニー(Louis Comfort Tiffany)によるモザイク作品へのオマージュが込められている。さらに、ジャン・シュランバージェ(Jean Schlumberger)による名作「バード・オン・ア・ロック(Bird on a Rock)」から着想を得たモザイクの鳥も印象的だ。
店内に一歩足を踏み入れると、「ロック(Lock)」「ハードウェア(HardWear)」「T」「ノット(Knot)」などのアイコニックなジュエリーコレクションが並ぶほか、ウォッチコーナーやハイジュエリーのサロンも展開されている。インテリアには、地元アーティストであるマウリシオ・パニアグア(Mauricio Paniagua)とトニー・モクサム(Tony Moxham)による陶器の壁、ペルラ・バルティエラ(Perla Valtierra)による特注ランプなどが取り入れられており、アメリカンモダンとメキシカンアートが美しく調和された空間だ。
さらに、プライベートサロンや「パラシオ・デ・ベジャス・アルテス(Palacio de Bellas Artes)」に着想を得たバーエリア、ダイヤモンドのシグネチャーショーケースなども設置され、ティファニーのラグジュアリーな世界観が余すところなく表現されている。
さらに今回のオープンでは、ラテンアメリカ初となるティファニーのダイニングスペース「ブルーボックス・カフェ(Blue Box Café)」の併設がされた。これは、地元の人気シェフエド・ロペス(Edo López)とのコラボレーションによって実現。メゾンの美学とメキシコの食文化が融合し、朝食からアフタヌーンティーまでを楽しめる上質なダイニング体験が提供される。
メゾンのアイデンティティを体現しながらも、ローカルアートとの有機的な共鳴を追求したこの新旗艦店は、単なる出店にとどまらない戦略的拠点となる。ラテンアメリカという成長著しい市場において、ティファニーは同店舗を起点に、独自の世界観と文化的感受性をより深く浸透させる新たなフェーズへと歩みを進めている。
Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.