6月5日(現地時間)、100年以上にわたる時計製造の歴史を誇るセイコー(Seiko)が、再び日本の伝統美と時計製造の革新性を融合させたプロダクトを発表した。新たに登場する「プレザージュ クラシック “有田焼 無釉ダイヤル” リミテッドエディション」は、7月11日(金)に発売予定で、世界でわずか1,200本のみの展開となる。価格は税込264,000円。伝統工芸の粋を凝らしたこのモデルは、国内外の時計愛好家に向けて、日本のクラフツマンシップの新たな魅力を提案する。
“無釉”という革新。有田焼がもたらす新たな美意識
今回のモデル最大の特徴は、有田焼ダイヤルとして初めて採用された“無釉(むゆう)”の技法だ。ガラス質の釉薬を施さないこの手法により、磁器本来のマットで温かな質感が表現されている。カットの立ったシャープな稜線と、吉祥文様として知られる菱型パターンが現代的にアレンジされ、文字盤に繊細な陰影と奥行きを与える。
この革新的な技術は、佐賀県窯業技術センターが開発した機能性陶土を用いることで実現。汚れが付きにくく、かつ高い耐久性を持ち、実用性と芸術性を両立させている。

熟練の職人によるコラボレーションで誕生
さらに、同モデルの製作には、有田焼の名窯「しん窯」に所属する二人の陶工による、卓越した技術と美意識が結集している。監修を務めたのは、伝統工芸士の橋口博之(はしぐち ひろゆき)。代表作「青花(せいか)」を進化させたブランド「青花匠」を立ち上げ、繊細で洗練された絵付け表現により、国内外で高い評価を得てきた絵付けの第一人者である。
制作の中心を担ったのは、同窯のチームリーダーである川口敏明(かわぐち としあき)。成型から施釉、焼成に至るまでの工程を熟知し、その確かな手腕により、2020年には「佐賀ものづくりびと」表彰を受賞している。
400年の伝統と現代的な革新性が交差する中で、両者の技と精神が融合し、他に類を見ない“無釉”有田焼ダイヤルが誕生したのである。
同製品の文字盤のマットな白を引き立てる、艶やかなブラックのカーフレザーストラップ。これにも、LWG(レザーワーキンググループ)の認証を受けたタンナーによるサステナブルな素材が用いられている。
クラフツマンシップを宿した芸術品でありながら、日常に寄り添う実用性も兼ね備える、静謐で力強い一本。この夏、真の“メイド・イン・ジャパン”として、「有田焼 無釉ダイヤル」を腕元に迎えてみてはいかがだろうか。
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