仏ビューティー大手ロレアル(L’Oréal)は、香港オフィスの閉鎖および200人超の人員削減に関する一部報道について、「事実ではない」と公式に否定した。
先週、香港の複数メディアは、ロレアルが香港法人を中国本土の事業と統合し、大多数の従業員を解雇する計画を進めていると報道。これによれば、9月末までに対象従業員が段階的に退職し、一部は広州オフィスへ異動する見込みとされていた。また、報道の中では、同社の業績は依然として好調である一方、退職金制度は「比較的手厚い」とも伝えられていた。
この報道を受けて、ロレアル中国は中国メディア『新京報』に対し、「ロレアル香港の人員削減に関する最近の報道は不正確なものです」とコメント。併せて、「当社は、進化する市場環境や変化する消費者ニーズに対応するため、グローバルおよびローカルの両レベルで、組織体制を継続的に見直し、最適化しています」との姿勢を示した。
同社はさらに、香港と中国本土の事業体制について、より高いシナジーと相互利益を創出する新たな組織モデルへの移行を進めているとし、「新体制では、香港のリテール領域における専門性と、中国本土のデジタルおよびEコマース分野における高度な実行力を統合し、両市場における競争力の強化を図ります」と明言している。
ロレアル香港は1983年に設立され、約40年にわたり現地でのビジネス展開を継続。現在は、販売スタッフを除く約300名の従業員を抱えるとされている。
同社はグローバルの事業を4つの部門『プロフェッショナル製品』、『コンシューマー製品』、『ラグジュアリー』、『皮膚科学的ビューティー』に再編し、多様なブランドを展開。主なブランドには、ケラスターゼ(Kérastase)、ランコム(Lancôme)、ラ ロッシュ ポゼ(La Roche-Posay)、イヴ サンローラン ボーテ(Yves Saint Laurent Beauty)などがある。
中国市場においても、ロレアルは引き続き成長ポテンシャルを見込んでおり、北アジア プレジデント兼ロレアル中国CEOのヴァンサン・ボワネ(Vincent Boinay)は、2025年4月に上海で開催されたカンファレンスにて、「数値は改善しており、今年の中国市場における成長率目標5%は、ロレアル全体としての目標でもあります」と語っている。
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