11月10日(現地時間)、英国ファッション協議会(British Fashion Council/以下BFC)は、「ファッション・アワード 2025(The Fashion Awards 2025/以下TFA)」において、レイ・カワクボ(Rei Kawakubo)、エイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)、ディコン・バウデン(Dickon Bowden)の3名に「イザベラ・ブロウ・アワード・フォー・ファッション・クリエイター(Isabella Blow Award for Fashion Creator)」を授与すると発表した。授賞式は2025年12月1日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて開催される。
TFAはBFC財団の主要な資金調達イベントであり、ファッションの文化的影響力と革新の力を世界に発信する舞台として知られている。
BFCは声明の中で、「彼らのドーバー ストリート マーケットを通じたグローバル・ファッション業界への驚くべき貢献を称えます」と述べ、DSMが「新進気鋭のデザイナーから確立されたブランド、そして分野を横断するコラボレーションの場として、ブランドの物語を没入的に体験できる革新的なプラットフォームへと発展してきた」と評価した。
ファッション、アート、商業の境界を超えた文化空間
2004年、ロンドンのドーバー・ストリートにてオープンしたDSMは、単なる小売店ではなく、ファッションをアートやカルチャーと融合させた“文化空間”として進化を遂げてきた。ピカデリー・サーカス近くのヘイマーケットへの移転後もその実験精神は変わらず、現在は東京、ニューヨーク、シンガポール、北京、ロサンゼルス、パリへと拠点を拡大している。
BFCは「実験的なインスタレーションや独創的なディスプレイを通じて、ファッション、アート、商業の境界を溶かし合う“生きた文化空間”を創り出した」とし、「DSMは協働的なコミュニティを築き、グローバルなファッションの対話を形成し続けている」と称賛した。
革命的デザインと進化のリーダーシップ
BFCはまた、コム デ ギャルソン(Comme des Garçons)の創設者でありクリエイティブ・ディレクターでもあるレイ・カワクボについて、「彼女は革命的なデザインによって現代ファッション業界に多大な影響を与え、DSMのコンセプチュアルな基盤を築いた」とコメント。
一方、コム デ ギャルソン・インターナショナル社長であり、DSMのCEO兼共同創設者であるエイドリアン・ジョフィは「ブランドのキュレーションとDSMの進化において極めて重要な役割を果たしてきた」と評価された。
さらに、DSM副社長のディコン・バウデンは、「同社の国際展開を導く存在」として紹介されている。
BFCのCEO、ローラ・ウィア(Laura Weir)は今回の授賞について次のように述べている。
「レイ、エイドリアン、ディコンの揺るぎない革新への姿勢、新しい才能への支援、そして本物のクリエイティブ・コミュニティを築こうとする献身は、ファッション業界に継続的な影響を与え、ファッションのあり方そのものを問い直しています。」
この「イザベラ・ブロウ賞」は、デザイナーの創造を形にし、ブランドの世界観を具現化する革新者に贈られる栄誉ある賞である。過去の受賞者には、タイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)、エドワード・エニンフル(Edward Enninful)、イブ・カマラ(Ib Kamara)、ケイティ・グランド(Katie Grand)、パット・マクグラス(Pat McGrath)、ニック・ナイト(Nick Knight)などが名を連ねる。
同授賞式では、イタリアのデザイナー兼実業家、ブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)が「アウトスタンディング・アチーブメント・アワード(Outstanding Achievement Award)」を、そしてディオール(Dior)のCEO、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)が「スペシャル・リコグニション・アワード(Special Recognition Award)」をそれぞれ受賞する予定だ。
ファッションの力を支える舞台
なお、TFA 2025は、パンドラ(Pandora)がプレゼンターを務め、イーベイ(eBay)およびザ・ペニンシュラ・ロンドン(The Peninsula London)が公式パートナーとして参加する。イベント収益は、BFC財団を通じて学生や新進デザイナー支援プログラムに充てられる。
Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.