ファストファッション大手の「エイチ アンド エム(以下、H&M)」は、この度、名誉ある「H&M デザインアワード(H&M Design Award)」を復活させることを発表した。同アワードは、世界で最も刺激的な若手デザイナーを称え、創造性、革新性、技術力、そしてサステナブルな視点を備えた次世代の才能を支援することを目的とした取り組みである。
一定期間の休止を経て再始動するこのアワードは、これまで以上にグローバルかつインクルーシブな枠組みへと進化した。受賞者には15万ユーロの助成金に加え、1年間にわたる個別カスタマイズ型のメンタリングプログラムが提供され、デザイナーとしての実践的な成長を後押しする。
25カ国・60校以上が参加する過去最大規模の開催
アワードの対象となるのは、25カ国にわたる60校以上の学士課程および修士課程の学生だ。オーストラリア、メキシコ、ポーランド、スペイン、コロンビアなど8つの新たな国が加わり、これまでで最も多様性に富んだ開催となる。
応募は2026年1月29日より公式サイトにて開始されており、応募者はデジタル形式でポートフォリオを提出する。20名のセミファイナリストは10月に選出・発表される予定である。
なお、アワードの審査は、ファッション業界のさまざまな分野で活躍する著名な人物によって実施。
最終受賞者のコレクションは、世界の一部のH&M ストアおよびオンラインで販売されるとともに、8名のファイナリストにはそれぞれ1万ユーロが授与される。さらに、このアワードは、単なる賞金授与にとどまらず、業界への実践的なアクセスを提供する点も特徴だ。メンタリングプログラムでは、サステナビリティ、循環型デザイン、生産、マーケティング、PRなど、デザイナーとしてのキャリア形成に不可欠な知識とネットワークが提供される。

H&Mのクリエイティブ・アドバイザーであるアン・ソフィー・ヨハンソン(Ann-Sofie Johansson)は、アワード復活にあたり次のようにコメントしている。
「H&M デザインアワードを再び立ち上げることができてとても嬉しく思います。このアワードは、H&M グループが大切にしている“新しい才能”“新しいアイデア”“ファッションの民主化”の核心にあります。学生が学業とキャリアの間にある最も負担が大きい重要な時期にサポートできることは、とても意義があります。若い人たちが特に支援を必要とする今、今年のアワードがこれまでで最もグローバルでインクルーシブなものになったことを誇りに思います。」

過去のアワード受賞者にはミンジュ・キム(Minju Kim)、リチャード・クイン(Richard Quinn)、ステファン・クック(Stefan Cooke)、プリヤ・アフルワリア(Priya Ahluwalia)、サビーネ・スカルレ(Sabine Skarule)が名を連ねる。
2017年の受賞者であるリチャード・クインは、アワードの意義について「H&M デザインアワードは、とても重要で刺激的な取り組みです。業界の人物とつながり、プロセス全体を通じて、そしてコラボレーションコレクションが店頭に並んだ際に、多くの人に自分の作品を知ってもらうことができました。このアワードは未来に目を向け、明日のデザイナーたちを励まし、支援し続けています」と語っている。
ファッションの未来を担う才能と、グローバル企業による実践的支援。その接点として再始動したH&M デザインアワードは、今後の業界動向を映し出す重要なプラットフォームとなりそうだ。
Copyright © 2026 Oui Speak Fashion. All rights reserved.