6月16日から19日にかけてイタリア・フィレンツェで開催される「ピッティ・イマージネ・ウオモ 110(Pitti Immagine Uomo 110)」は、スペシャルイベントプログラムに、
同イベント期間中、ジヨン・キムは特別に構想されたプロジェクト形式の展示を通じて、自身のブランド「ジヨンキム(JiyongKim)」の世界観を提示する予定である。同プロジェクトは、フォンダツィオーネ・ピッティ・ディスカバリーおよびコリア・クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシーの支援のもと実施される。
ジヨン・キムは、2024年のLVMHプライズにおいて注目を集めたデザイナーの一人であり、実験的なアプローチと独自の美学によって国際的な評価を高めている存在だ。同ブランドは、従来のランウェイ形式に依存せず、インスタレーションや展示形式を通じて、衣服の概念的価値や時間性を表現してきた。今回のプロジェクトでも、来場者が空間と時間の中で体験するインタラクティブな形式が採用される見込みである。
今回の発表に際し、ジヨン・キムは次のようにコメントしている。
「来たる 6 月、ピッティ・ウオモのスペシャルゲストとして招かれたことは、私たちにとって大きな名誉であり、非常に意義深い機会です。 JiyongKim では、衣服を固定された完成形として捉えるのではなく、時間や環境によって変化し続けるものと考えています。私たちの“Sun-Bleach”プロセスは、自然の力によって各ピースが形づくられ、コントロールも再現もできない痕跡を残します。今回のプロジェクトでは、単一の瞬間を提示するのではなく、衣服・空間・時間がともに展開していく展示を目指しています。従来のランウェイ形式から離れ、より没入的で多層的な体験を提供したいと考えています。この展示を通じて、環境に応答し続け、時間の中で変化し続ける作品を提示できればと思います。」
“Sun-Bleach”が示す、不可逆的な時間の痕跡
ジヨンキムのシグネチャーである“Sun-Bleach”技法は、化学処理を排し、太陽光や風、雨、雪といった自然環境に布地をさらすことで、時間の経過とともに独自の風合いを生み出すプロセスである。
この手法により生まれる衣服は、同一の再現が不可能な一点物であり、自然の循環と時間の蓄積を可視化する存在となる。さらに、ヴィンテージ素材の再構築や高度なパターンメイキングと組み合わせることで、機能性と彫刻的な造形を兼ね備えたメンズウェアへと昇華されている。
ピッティ・イマージネのスペシャルイベント・コーディネーターであるフランチェスカ・タッコーニ(Francesca Tacconi)は、今回の起用について次のように述べている。
「私たちは、JiyongKim のデビュー当初からその活動に関心を寄せてきましたが、近年のシーズンを通じて、その関心はより確かなものとなりました。彼のファッションに対する考察の独自性と、衣服を設計する手法がその理由です。彼のスタイルは、テクニカルな実験から洗練されたコントラストの表現まで幅広く、“Sun-Bleach”から高度なパターンメイキングに至るまで多層的です。」
さらに、「素材の“第二の生命”という新たな視点を提示する重要性」を強調し、持続可能性と時間の概念を結びつける点において、現代ファッションにおける意義を指摘している。
ジヨンキムのアプローチは、デザインの革新にとどまらず、衣服そのものの存在意義を問い直す試みでもある。完成されたプロダクトではなく、変化し続けるプロセスとしての衣服という概念は、サステナビリティや循環型思考が求められる現代において、新たな視座を提示するものだ。
なお、今季のピッティ・ウオモでは、ドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market)によるケイ ニノミヤ(Kei Ninomiya)、そしてシモーン・ロシャ(Simone Rocha)、サンフラワー(Sunflower)もゲストデザイナーとして参加することが決定している。
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