ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)、ステファノ・カンティーノを共同最高経営責任者に任命:経営再編を加速

Dolce & Gabbana

4月13日(現地時間)、イタリアのラグジュアリーメゾン「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」は、経営体制の再編の一環として、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)を共同最高経営責任者(Co-CEO)に任命したことを発表した。アルフォンソ・ドルチェ(Alfonso Dolce)と並ぶ体制となり、ブランドの次なる成長フェーズに向けた組織強化が進められている。

今回の人事は、共同創業者であるステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)が2026年1月付で会長職および複数の経営ポジションを退任したことに伴うものだ。ガッバーナは経営からは退くものの、引き続きクリエイティブ領域には関与する。

同社は声明で、「組織構造およびガバナンスの自然な進化の一環として、ステファノ・ガッバーナが2026年1月1日付でドルチェ&ガッバーナ・ホールディング、ドルチェ&ガッバーナ・トレードマークス、ドルチェ&ガッバーナの各社における役職を辞任した」と説明している。また、「これらの辞任は、同氏が担うクリエイティブ活動に一切影響を及ぼすものではない」と明言した。

ライフスタイル企業への転換を見据えた体制強化

カンティーノの起用について同社は、「ファッションブランドからライフスタイルカンパニーへと進化する中での組織モデルの変革に基づく成長戦略の一環である」と位置づけている。

アルフォンソ・ドルチェは、「ドルチェ&ガッバーナの成長と発展の新たなフェーズにおいて、ステファノ・カンティーノと共に歩めることを大変嬉しく思います」とコメントしている。現在アルフォンソ・ドルチェは、CEOに加え会長職も兼任しており、経営の中枢を担う体制がより明確になった。

厳しい市場環境と財務課題

一方で、今回の経営再編は外部環境の変化とも無関係ではない。ラグジュアリー市場全体が減速する中、同社もその影響を受けており、債務の借り換えを巡る金融機関との交渉が進行中とされる。

また、業績面では、2024〜2025年度において純損失1億4,300万ユーロ(約1億6,700万ドル)を計上しており、経営の立て直しが急務となっている。

カンティーノのキャリアと起用の狙い

カンティーノは直近までグッチのCEOを務めていた。2024年に副CEOとして同社に参画し、2025年にはCEOに就任したが、経営体制の見直しの中で短期間で退任している。

それ以前には、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)にてイメージおよびコミュニケーション部門を統括し、さらにプラダ グループ(Prada Group)では20年にわたりマーケティングおよびコミュニケーション領域でキャリアを積んできた。

ラグジュアリーブランドにおけるブランド構築とコミュニケーション戦略に強みを持つカンティーノの起用は、ブランドの再定義を見据えた布石ともいえる。

1985年の創業以来、デザイナー主導で成長してきたドルチェ&ガッバーナが、ライフスタイルブランドとしての拡張を進める中で、どのように組織進化を遂げるのか。今回の一連の動きは、創業者主導のクリエイティブと、プロフェッショナル経営陣によるビジネス運営を明確に分離する方向性を示している。

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