2024年のメットガラ(MET GALA)が、5月6日午後6時(現地時間)から、ニューヨークのメトロポリタン美術館前で盛大に開催される。
メットガラは、コスチューム インスティテュート(The Costume Institute)が毎年開催している特別展覧会を祝福する為に行われるオープニング・チャリティ・イベントであり、1995年から米ヴォーグ(Vogue)編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)よって主催されている。
ガラは完全招待制。イベント当日は約600名のセレブリティやファッションアイコン、著名人らがメトロポリタン美術館に集結する。また、出席する為のチケットの値段は1枚につき30,000ドル〜で、テーブル席に座るにはおよそ275,000ドルと言われる。そこでの収益はコスチューム インスティテュートの活動資金等に当てられている。
そんな敷居の高いメットガラに出席するゲストたちには、毎年展示会のテーマに沿ったドレスコードが与えられ、イベント当日の夜は、世界中がゲストたちのレッドカーペットでの衣装に注目する。
2024年のテーマ、ドレスコード、ゲストについて
今年のメットガラのドレスコードは、J・G・バラードの同名の短編小説にインスパイアされた「Garden of Time(時の庭)」であり、セレブリティはこのテーマに沿った衣装でレッドカーペットに登場する。
また、このイベントを皮切りにメトロポリタン美術館では、5月10日より 2024年の展覧会「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美女たち – 蘇るファッション)」が開始。この展覧会では、インスティテュートのパーマネント・コレクションとして眠っていた、歴史的に重要な作品250点が展示される。そこには、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローラン、エルザ・スキャパレリ、ユベール・ド・ジバンシィなどの名だたるデザイナーによる作品が並び、オリジナルデザインも鑑賞出来る。
2024年のメットガラをアナ・ウィンターと共にリードする共同ホストは、ゼンデイヤ(Zendaya)、バッド・バニー(Bad Bunny)、クリス・ヘイズワース(Chris Hemsworth)、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)だ。また、名誉ホストは、ロエベ(Loewe)のクリエイティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)と、同イベントの筆頭スポンサーであるTikTokのCEO、シュウ・チュウが務める。
レッドカーペットに現れるその他のセレブリティのリストは、現時点で公式には明かされていないが、BLACK PINKのジェニー(Jennie Kim)とロゼ(ROSÉ)が数日前からニューヨーク入りしている様子がロゼのインスタグラムに載せられていることから、二人の出席は有力と見られている。
なお、もっともホットなパワーカップルとして注目されるテイラー・スウィフト(Taylor Swift)とトラヴィス・ケルス(Travis Kelc)は、今年のメットガラに出席しないと報じられている。スウィフトは、現在パリでの「エラス・ツアー(Eras Tour)」の公演を控えており、ヨーロッパツアーの準備やリハーサルのため為、多忙を極めているからだ。
2024年メットガラ開催に際しての浮上する懸念
この華やかなイベントの裏では、いくつかの懸念も浮上している。
その一つが、2024年のメットガラの筆頭スポンサーが、バイトダンス社の Tiktokであることだ。というのも、現在TikTokは、米国の国家安全保障にとって脅威的な存在であるとみなされているからだ。米国は中国の親会社であるバイトダンス(ByteDance)社に「アプリを売却するか、アプリを禁止するまでに9ヶ月の猶予を与える」との法律を可決した。このように米国全体でTiktokを排除しよういう動きがある中で、同じく米国を代表するファッションイベントがTiktokと手を組み、開催を決行するのは、非常に複雑な状況と言えるだろう。果たしてアナ・ウィンターは、TikTokのCEOであるシュウ・チュウと肩を並べレッドカーペットに現れるのだろうか。
また、この数日間、ニューヨークでは、パレスチナ支持団体及びイスラエル支持団体による大規模な抗議活動が激化している。コロンビア大学などで抗議に参加する多くの学生が逮捕されている中で、5日の夕方には、パレスチナを支持する抗議者たちがマンハッタンのハンター・カレッジに集結するのでは、と予想されている。ハンター・カレッジとメトロポリタン美術館は、同じアッパーイーストサイドに位置し、徒歩圏内だ。また、セレブリティたちが滞在し、衣装の準備をするマークホテルは、ハンター・カレッジから更に近い場所にある。
これらのデモ隊がメトロポリタン美術館に向かい、この一大イベントを妨害するかどうかは不明であるが、過去にも、ニューヨークのガザのデモ隊はこうした著名なイベントを妨害することを厭わなかった。
更にメットガラに刃を向けるのが、ヴォーグの親会社であるコンデナスト(CONDÉ NAST)社の組合員らだ。コンデナスト傘下媒体の従業員らによる労働組合「コンデナストユニオン(Condé Nast Union)」は、以前より、同社の人員削減計画や労働条件などを巡り、ストライキを決行してきた。5月5日に同組合員たちは、コンデナストユニオンのインスタグラムやXなどのソーシャルメディア上に名前を公表し、正当な契約交渉を訴える為に、メットガラでストライキを起こすことを予告した動画を投稿した。
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なお、メットガラ2024年の様子は、米ヴォーグ(Vogue)のVogue.comにて、東部時間午後6時からリアルタイムでライブ視聴が可能。また、米ヴォーグのTikTokやYouTubeなどのデジタルプラットフォームでもレッドカーペットの様子が、同時配信される。