以前よりバングラデシュでは労働者たちが賃上げについて抗議をする中、労働雇用省(MoLE)はこのほど、綿織物部門の労働者・従業員の月額最低賃金を10,001タカ(91.06ドル)と発表した。
それ以前の金額は2018年に設定された5,710タカ(51.99ドル)であった。官報通達によると、新たに発表された賃金は2024年3月1日から適用される。
新しい賃金体系には10等級が組み込まれており、その額には、小地区の町の基本給5,162タカ、基本給の55%(2,839タカ)の家賃、750タカの医療手当、400タカの出張手当、850タカの食費が含まれる。また、地方都市と分割都市の10等級労働者は、それぞれ基本給の60%と70%の家賃を受け取ることになる。
以前より、最低賃金委員会は最低賃金の基本給を10,000タカ〜5,000タカとし、基本給の60%(3,000タカ)をウポジラの町の家賃、750タカを医療手当、400タカを出張手当、850Tkを食費とすることを勧告。
政府は、10等級の労働者の月額最低賃金を10,001タカ、9等級を10,417タカ、8等級を10,643タカ、7等級を10,962タカ、6等級を11,250タカ、5等級を11,570タカ、4等級を11,889タカ、3等級を12,723タカ、2等級を13,250タカ、1等級を14,307タカとした。
国内メディアによると、政府はまた、この部門の従業員に6つの等級を設け、等級6の従業員の最低賃金として同額(10,001タカ)を設定したという。等級5、4、3、2、1の従業員の賃金は、それぞれ10,547タカ、11,378タカ、13,250タカ、15,361タカ、18,545タカとなる。
労働省はまた、見習い労働者と6ヶ月の見習い期間中の従業員の月給として7,503タカを発表。基本給は3,550タカで、家賃は基本給の55%(1,953タカ)、医療手当は750タカ、出張手当は400タカ、食費は850タカである。
通達によれば、この賃金は全国のすべての繊維工場に適用され、労働者・従業員ともに年間5.0%の昇給が認められる。
バングラデシュでは昨年度、縫製労働者が賃金の3倍近い引き上げを要求し、抗議デモが発生。首都ダッカを取り囲み、動揺を巻き起こしていた。その結果、縫製労働者の最低賃金は、昨年12月1日より12,500タカと定められた。
また、こうした動きがある中で、スウェーデンのファストファッションブランドH&Mは、バングラデシュで生産される衣料品の価格を引き上げ、サプライヤー労働者の賃金上昇分を補填するなどの決定をしている。
なお、現在バングラディシュ国内には約7,000の繊維工場があり、約500万人に雇用を提供していると推定される。