シャネル(Chanel)メティエダール 2024 コレクション|マンチェスターの音楽カルチャーへ捧げるオマージュ

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12月8日(現地時間)、シャネル(Chanel)はイギリスのマンチェスターで「メティエダール 2024(Métiers d’Art 2024)」のショーを開催した。

シャネルのメティエダール コレクションは、クリエイティブな対話に焦点を当て、同ブランドのアーティスティック ディレクターを務めるヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)やカンボン通りのアトリエ、le19Mのメゾン・ダール、そしてアーティストやメゾンの友人たち、都市、文化の相互関係の中で育まれている繋がりを、シーズン毎にコレクションに反映している。

今回シャネルがショーの開催地に選んだマンチェスターは、歴史上、世界初の工業都市として知られ、1960年代初頭まで、繊維産業や工場が主要な経済基盤となり、栄えてきた街だ。1980年代から1990年代初頭にかけては、インディー・ロックやダンスミュージックの舞台として国際的に知られるようになり、ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)、ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)、ニュー・オーダー(New Order)、オアシス(Oasis)、ザ・スミス(The Smiths)など様々な影響力のあるバンドを生み出した。また同時期には、ハウスミュージックやテクノがクラブシーンで隆盛を極め、ハシエンダなどのクラブが注目を集めるなど、音楽の歴史に忘れがたい足跡を残してきた。

そんな活気あるポップカルチャーとアバンギャルドな精神で知られるマンチェスターは、ヴィアールにとって、彼女の祖父母がいた田舎町リヨンでの思い出が蘇ったり、彼女自身が青春時代に夢中になった音楽との関係性が呼び起こされる、特別な想いが重なる場所なのだ。

イベントは木曜日の夕方、雨から参加者を守るためにガラス屋根で覆われた通りを封鎖して行われた。ショーが進んでいくと、メティエダール コレクションは、原作を文字通りに解釈するのではなく、マンチェスターの音楽シーンが最盛期を迎えていた数十年間へのノスタルジーに浸っていることが分かってくる。

膝丈かそれより短いミニスカートは、70年代、80年代、90年代からインスパイアされ、19の専門工房から最高品質の素材を用いて再構築されており、これらの繊細なディテールは、様々なテクスチャーを通して命を吹き込まれ、賑やかな街の複雑さを映し出しているようだ。

また、ヴィアードはマンチェスターの音楽カルチャーをコレクションの中にとても自然に取り入れた。ブラックのジャケットには、ボリュームのあるオレンジのファーとフェザーの裏地が施されていたり、ブラックのキルティングレザーのロングコートの下には、リボンモチーフが並ぶクロップドトップにワインレッドの長袖のニットが重ね着されていたりと、ロックンロールの美学を遊び心と共に表現したルックが数多く見られる。

Chanel 2024 Métiers d’art collection. Courtesy of Chanel

更に、こうしたエッジの効いた雰囲気は、ニュースボーイ・キャップ、膝まで伸びるハイソックス、超ロングスカーフ、ビーニーなどの小物によって一層引き立てられていた。その他、ゴールドやパールのチェーンからぶら下がる小さなギターや音符のチャームや、レコード盤の形をしたマイクロショルダーバッグも登場した。

コレクションの全体的なカラーパレットは、ヴィアードの過去のインスピレーションから予想されていたダークでムーディーな雰囲気とは一線を画しており、秋らしさのある、明るく鮮やかな色づかいは、優しく大胆な女性らしさを引き立てたものとなった。

シャネル(Chanel)メティエダール 2024 コレクションの全てのルックは以下のギャラリーから。