2月17日から21日まで開催されているロンドンファッションウィークで、最も注目が集まっていたのが、バーバリー(Burberry)だろう。ブランドは昨年10月にダニエル リー(Daniel Lee)をチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして迎えてから、初のコレクションをロンドンファッションウィークで披露した。
ダニエル リーといえば、長年ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクターを務め、勢いがなくなっていたブランドに新たなスタイルを提案し、数々のヒット商品を生み出した手腕デザイナーだ。今ではすっかり定着したボッテガ・ヴェネタのシグネチャーカラーである「ボッテガ・グリーン」の生みの親でもある。
目覚ましい功績を作り出したにも関わらず2021年にボッテガ・ヴェネタを去り、新たに就任したバーバリーでは、「いったい彼の手によってどんなものが生み出されていくのか」という高い関心と期待が寄せられていた。
また、今回の新コレクションの発表の数週間前には、ブランドの公式インスタグラムの投稿が全て突如として削除され、翌日にはリーが新しく手がけ、リブランディングされたバーバリーのロゴとビジュアルが解禁された。
本日発表された2023年秋冬コレクションのオープニングを飾ったのは、2つのクラシックなバーバリー・トレンチコートだった。どちらもヘリテージグリーンで、光沢のあるシャーリングの襟、ベルト、エポレットが付いたウィメンズスタイルであり、ブランドがこれまで作り上げてきたものに対して、リーの払う敬意が感じられる。
続いて、スキンタイトトップスやウールパンツ、ウールダッフルコート、アクセサリーなど一つ一つにブランドを象徴するバーバリーチェックを大胆がプリントされた、印象的なピースが登場。マスタードイエローにパープル、ブルー、ローズレッドなどビビッドなカラーでさらにアクセントを効かせている。
またコレクションの新しい要素として取り入れられていたのが、「薔薇」である。「すべてのバラが赤いわけではない」と書かれたグラフィックTシャツの中には、赤ではなく、ブルーのバラのプリントが施されていた。マスタードイエローと紫、紫と黒、がそれぞれ混ざり合ったドレスでは、その首元やウエスト部分に布で作られた薔薇のペプラムが付けられていた。
それに加えて、フェザーやフェイクファーがコレクションに更なる華やかさを与えた。色とりどりのフェザーがつけられた膝丈のコートやトップス、フェイクファーが使用されたフードやカバン、シューズは、秋冬ならではの深みのあるゴージャス感を演出していた。
リーはこれまでもアクセサリー小物で人々を魅了するのが得意だったが、今回はバーバリーの新たな「It Bag」になるだろうユニークなアイテムも登場させた。レザーやフェイクファーのトリミングが施されたもの、大胆なバーバリーチェックの湯たんぽのような形をしたクラッチバック、メタルがぶら下がったイブニングパースなどが巨大なダッフルやトートバッグと一緒に現れ、中にはふさふさのフォックスのしっぽがついているものもあった。
これまでのブランドのトラディッションを守りながらも、リーによって新しい方向性へ動き出した今後のバーバリーからも目が離せない。
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