ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、クリエイティブ・ディレクターを6月に退任へ

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3月19日(現地時間)、ベルギー人デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)は、自身の名を冠したメゾンのクリエイティブ・ディレクターを6月に退任することを発表した。これにより、次のドリス・ヴァン・ノッテンの2025年春夏ウィメンズコレクションはスタジオ・チームが手がけることになる。

ヴァン・ノッテンは退任を知らせるメールの中で、「新しい世代の才能がブランドにビジョンをもたらす余地を残す時だと感じています」と述べ、「私はこの瞬間のために長い間準備をしてきました。いずれ、このストーリーを引き継ぐデザイナーを発表します」と続けた。ブランドを引き継ぐ後継人は未定だが、すでにヨーロッパのデザイナーたちとの話し合いが行われ、候補者が何人かリストアップされているようだ。

ドリス・ヴァン・ノッテンは、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)やアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)といったベルギーのクリエイターたちよりも長く、40年にわたってファッション界をリードしてきた。デザイナーは、アントワープ王立アカデミーで学んだ後、フリーのコンサルタント・デザイナーとして活躍し、1986年に自身の名を冠したファッション・ハウス「ドリス・ヴァン・ノッテン」を設立。当初はメンズウェアに力を入れていたが、数年後にはウィメンズも手がけるようになった。

2018年、同社はスペインのグループ、プーチ(Puig)に株式の過半数を売却。ヴァン・ノッテン自身は、クリエイティブ・ディレクターと取締役会会長の役割に加え、少数派の株式を保持していた。また近年では、ビューティ部門にも進出。ビューティーと香水のラインに加わえて、アクセサリーを拡張し、Eコマースをスタートし、美容に特化したショップもオープンさせた。

そんなヴァン・ノッテンは、約40年に渡り、色や質感、光、柄、素材使いで遊ぶことを楽しみ、巧みなテーラリングとテクスチャーで、色彩豊かな美学を確立してきた。また、2014年にはデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2016年にはフランスの「芸術文化勲章オフィシエ」を受章している。

ヴァン・ノッテンは、「これからは、今まで時間が取れなかったことに集中したい」と語り、「悲しいけれど、同時に幸せでもある」と心境を述べた。

また、メールの後半には、「38年間、年に4つのコレクションを製作し、ショーを開催し、店舗をオープンし、ドリス・ヴァン・ノッテンを今日のような成功に導くチャンスとエネルギーを与えてくれた」というブランドのチーム全員に向けた感謝のメッセージが綴られ、最後は「そして今、私は確信しています。ドリス ヴァン ノッテンの未来は、これからも明るく輝き続けることを」と、ブランドの新章への期待を込めた言葉で締め括った。

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